離乳とは、成長のために必要な栄養を摂取する手段が、母乳や育児用ミルクなどの乳汁から食事に移行することをいいます。
お子さんの成長に伴い、徐々に母乳や育児用ミルクだけでは、エネルギーや栄養素が不足するようになってきます。栄養摂取の手段を食事に変えると、さまざまな食品を摂取できるようになり、それらを補うことができます。そうした離乳の過程で与えられる食事を「離乳食」と呼んでいます。(※1)
また、食べることに慣れたり、食事の楽しさを知ったりするのも離乳食の重要な目的のひとつです。(※2)
(※1:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」を参考に作成)
(※2:厚生労働省「生後5か月からの『離乳スタートガイド」」を参考に作成)食事といえば気になるのが栄養バランスです。栄養バランスを考えるときには、以下の三つの種類をおさえておきましょう。
離乳食への移行期には、とくに鉄分が不足しがちです。
鉄は、さきほどの三つの栄養素の種類のうち「ビタミン・ミネラル」に含まれます。鉄が足りない状態が続くと、鉄欠乏性貧血になってしまうこともあり、注意が必要です。
離乳食では鉄を多く含む食品を意識して利用してみましょう。
鉄の多い食品の一例を紹介します。
また、育児用ミルクやフォローアップミルクには、鉄が豊富に含まれているものもあります。それらを使って離乳食作りをするのもおすすめです。
食品の中には、離乳食の時期にはお子さんに食べさせるのを避けるべきものもあります。
以下の食品を離乳食期のお子さんに与えることはやめておきましょう。
(注:牛乳は、離乳中期以降パンがゆ、クリーム煮、シチューなどの材料として、加熱調理して利用することはできます)
「食物アレルギーが心配なので、離乳食の開始を遅らせよう」と思ってはいませんか。以前はそういわれることもありましたが、最近では、離乳食の開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果がないことがわかっています。遅らせるのではなく、少量から食べさせて様子を見ていくのがよいでしょう。(※3)
また、母乳栄養のママはとくに「自分の食生活によって、子どもに食物アレルギーが出るのでは」と気にしているかもしれません。しかし、お子さんの食物アレルギーとママの食事内容には関係がないことがわかっています。(※3)
子育てに体力を使うママには、十分な栄養素が必要です。アレルギーを気にして、特定の食物を避ける必要はありません。栄養の偏りがないよう、いろいろな食品をバランスよく食べましょう。(※3)
(※3: 厚生労働省「生後5か月からの『離乳スタートガイド』」を参考に作成)
離乳の開始 | 離乳の完了 | |||
---|---|---|---|---|
初期 (5~6か月頃) |
中期 (7~8か月頃) |
後期 (9~11か月頃) |
完了期 (12~18か月頃) |
|
卵 | ●固ゆでの卵黄を少量 |
●卵黄だけを使った卵スープや野菜の卵とじ ●発赤やじんましんが出ずに食べきれたら、よく加熱した全卵を少量 |
●全卵を食べても問題ないかチェック |
●生卵はNG |
乳製品 | 摂取なし |
●少量を加熱して料理に使い、問題なければヨーグルトを少量 |
●ヨーグルトなど加熱済みの乳製品が食べられるかチェック |
●大人とほぼ同じものが食べられるようになる |
小麦 | 摂取なし | ●少量のうどんやパンなどを試す |
●小麦製品を食べても問題ないかチェック |
|
果物
|
●りんごなどをすりおろして与える ●バナナは新鮮なものをすりつぶす。ただし、バナナは糖質を多く含むので、与えすぎに注意する |
●りんごなど皮をむいて食べる果物を生で少量 |
(独立行政法人 環境再生保全機構「食物アレルギーに配慮した離乳食のポイント」および公益財団法人 母子衛生研究会「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き」を参考に作成)
離乳の開始 | 離乳の完了 | ||||
初期 (5~6か月頃) |
中期 (7~8か月頃) |
後期 (9~11か月頃) |
完了期 (12~18か月頃) |
||
食べ方の目安 |
●子どもの様子を見ながら、1日1回1さじずつ始める ●母乳や育児用ミルクは飲みたいだけ与える |
●1日2回食で食事のリズムをつけていく ●いろいろな味や舌ざわりを楽しめるように食品の種類を増やす |
●1日3回食で食事のリズムを整える ●親子で一緒に食べるなどしながら、食事の楽しさを知っていく |
●1日3回食+補食で生活リズムも整える ●手づかみ食べなどで、自分で食べる楽しみを増やす |
|
摂食機能の目安 |
口を閉じて飲み込めるようになる |
舌と上あごでつぶせるようになる |
歯ぐきでつぶせるようになる |
歯を使うようになる | |
食べ物の かたさの目安 |
なめらかにすりつぶしたペースト状
|
指でつぶせる、 豆腐程度のかたさ
|
バナナくらいの かたさ
|
歯ぐきでかめる かたさ
|
|
食べ物の種類 |
●おかゆ ●すりつぶしたいも類 ●絹ごし豆腐 ●白身の魚 ※いずれも加熱したもの |
初期に与える食べ物に加えて ●赤身の魚 ●脂の少ない鶏ささみなどの肉 ●豆腐 ●包丁でたたいたひきわり納豆 など |
初期・中期で与える食べ物に加えて ●少し脂ののった青魚や肉類 ●きのこ ●海藻 ●乾物の野菜 ●植物油 など |
ほぼ大人と同じものが食べられるが ×味が濃いもの ×刺激が強いもの ×極端に油っこいもの などは避ける |
|
1回あたりの目安量 (g・卵=個) |
穀類 |
●つぶしがゆから始める ●すりつぶした野菜なども試してみる ●慣れてきたら、つぶした豆腐、白身魚などを試してみる |
全がゆ 50~80g |
全がゆ 90g~ 軟飯 80g |
軟飯 90g~ ご飯 80g |
---|---|---|---|---|---|
野菜・ 果物 |
20~30g | 30~40g | 40~50g | ||
魚 | 10~15g | 15g | 15~20g | ||
または 肉 |
10~15g | 15g | 15~20g | ||
または 豆腐 |
30~40g | 45g | 50~55g | ||
または 卵 |
卵黄1個~ 全卵1/3個 |
全卵1/2個 |
全卵1/2~ 2/3個 |
||
または 乳製品 |
50~70g | 80g | 100g |
Copyright MEGMILK SNOW BRAND Co.,Ltd. All Rights Reserved