CHEESE in the world

France

フランス
南部・オーヴェルニュ
  • オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ圏(一部)
  • ヌーヴェル=アキテーヌ圏(一部)
  • オクシタニー圏
  • プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール圏
  • コルス圏

サヴォア地方を源流とする大河ローヌ川の河口付近は、保養地として有名なプロヴァンス地方で、一面のブドウ畑が続くこの地方は、フランスワインの40%を生産しています。

この地を北上すると、中部山岳地帯が連なるミディ・ピレネー地方です。平均1000メートルの高地でコースと呼ばれる石灰岩の荒れ地が多い不毛地帯。夏は暑く、冬は寒風にさらされ、雨は台地に吸い込まれてしまいます。そんな土地で生活していたのは羊飼いたちです。羊の毛や乳を利用した生活の中で、どんなチーズを食べていたのでしょうか?

フランス南西部のピレネー山脈、東のアルプス山脈のほぼ中間、国土の胴体部分にあたるのがオーヴェルニュ地方。高原に大小の山や丘が連なり緩やかな山地を形成しており、ロワール川などの支流がこの山地を源流としています。平地が少ないため主な産業は羊、山羊による牧畜業です。

フランス南西部のバスク・ベアルヌ地方は、スペインに隣接しているため、食文化を中心にスペインの影響を多く受けています。17世紀にスペイン・ポルトガルからフランスで最初にチョコレートが持ち込まれたのもこの地とか。高級食材のトリュフ・フォアグラの産地でもあります。

フランス南部・オーヴェルニュ生まれのチーズ

  • サン・ネクテール

17世紀にサン・ネクテール元帥がルイ14世にこのチーズを献上したことで一躍有名になったと言われています。

  • カンタル

フランスチーズの中で最古のチーズではないかと言われているほどの長い歴史を持ち、見た目は石臼のようにごつごつとしています。

  • ロックフォール

真っ白なチーズの地肌に青カビの鮮やかなマーブル模様が美しいチーズ。青カビ好きにはこたえられない独特のピリっとした刺激と、クリーミーな味わいのハーモニーが楽しめます。

  • ブルー・デ・コース

「ロックフォールの牛乳版」と言われるほど、外見が似ているチーズ。青カビタイプの中では、塩分も刺激もほどよいチーズです。

フランス南部・オーヴェルニュのチーズを使ったレシピ

フランスのチーズ豆知識

オーヴェルニュ地方の3兄弟

フランスチーズの中で最古のチーズではないかと言われているほどの長い歴史を持つカンタル。
同じ地域で作られるライオルとサレールという、よく似たチーズがあり、
3兄弟とよばれることもあります。
この3つのチーズを形や外見で見分けることは現地の人でも難しいそうですよ。

カサノヴァが讃えたマリアージュ

フランスでは、ワインや食べ物の取り合わせに“マリアージュ(結婚)”という表現を使います。つまり、いい相手が見つかれば幸せになれるというわけです。そこで、有名なのがあのイタリアのプレイボーイ、カサノヴァの言葉。「ロックフォールを食べ、シャンベルタンを飲めば、消えかけた愛は再び燃えたち、芽生えたばかりの恋はたちまち成就する」と、チーズとワインのマリアージュのすばらしさを強調しているのですが、この言葉でロックフォールとシャンベルタンが爆発的に売れたとされています。
そうそう、フランスでは個人の好みを越えて、ある土地の食べ物は同じ土地のワインによく調和すると言われています。試してみてはいかがですか?

<参考文献>

  • チーズ&ワインアカデミー東京著「チーズ」株式会社西東社
  • 岡部隆男編「Cheese」(別冊25ans ELEGANT COOK)婦人画報社
  • 「プロのための乳製品ハンドブック CHEESE」 社団法人 日本乳製品協会/社団法人 全国牛乳普及協会 編集・発行

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