事柄、自分の料理をわかりやすく伝えなければなりません。具体的な数字を入れたレシピはそのためのもの。例えば豚のしょうが焼きなら豚肉300gに対してしょうゆ大さじ3、みりん大さじ3、しょうがのすりおろし大さじ1/2……、しょうがは好みでもう少し増やしてもいいかしら、というふうに私がおいしいと思う味、家族やまわりがおいしいといってくれる味を数字にしていきます。これも慣れですが、料理家を始めたころは大変でした。ふだんならいちいちはからなくてもおいしくできている料理を大さじ、小さじ、カップやハカリで正確に計量しながらいつもと同じ味にしなければならないのですから。でもレシピとして残しておけば、みんなに作ってもらえるし、私もまた同じ味で家族のリクエストにも応えられます。はかることが習慣になって以来、計量スプーンに片口をつけたり、ガラスボウルにも目盛を入れたりと、その道具の工夫も楽しみながらやっています。