のお椀やおべんとう箱には、小さいときからなじみがあります。手にしたときの温かさや軽さ、丈夫さが好きで、大人になってからもずっと、塗りの器をふだんの暮らしに使っています。使い続けてみると、塗りは決して特別な日のものではなく、たとえばお重のようなものでも、カジュアルに使って楽しめるということを知りました。料理を盛るだけではなく、入れ子の器に小花を生けて玄関飾りにしたり、ティーセットのミルクや砂糖をのせてテーブルに出すのも１つの使い方です。塗りにあまりなじみのない方は箸や小皿など、小さなものから取り入れてみるのも。写真の塗りの黒もじは私のオリジナルですが、和菓子だけでなく、くだものや洋菓子にも合い、長く使えて、塗りならではの上品さが楽しめます。