トスカーナ州、マルケ州、ウンブリア州、アブルッツォ州、ラツィオ州、モリーゼ州、プーリア州、カンパーニュ州、バリジカータ州、カラーブリア州、シチリア州、サルデーニャ州
地中海に突き出たイタリア半島と、地中海に浮かぶシチリア島、サルデーニャ島という大きな2つの島からなっています。
気候は全体的に暑く乾燥していて、特に夏は厳しい暑さが続きます。
このような土地なので、家畜は主に羊や山羊が中心です。羊乳で造るチーズは総称してペコリーノと呼ばれます。
ラツィオ州やカンパーニュ州の一部の地域では水牛も飼育されています。
この地域独特のチーズの製法として「パスタフィラータ」があります。
イタリア中・南部生まれのチーズ
- ペコリーノ・ロマーノ
2000年以上前のローマ帝国の時代から食べられてきたと言われている、長い長い歴史のあるチーズです。
- モッツァレラ
白く丸い形状で、見た目は表面がツルツルと滑らかで、よく「つきたてのお餅のよう」と表現されるチーズです。
- リコッタ
名前の由来はリコッタ「二度煮る」という意味からきています。さっぱりした味で、やわらかで口当たりが良く、ミルクの自然な甘さが残っています。
- カチョカヴァッロ
葦の葉でくくり、長い棒に吊るして熟成させる様子が馬にまたがった姿に似ていることから、カチョカヴァッロ(馬のチーズ)という名前が付いています。
イタリア中・南部のチーズを使ったレシピ
イタリアのチーズ豆知識
- 糸のように裂けるチーズ
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裂けるチーズといえば、日本では「雪印北海道100 さけるチーズ」ということになりますが、イタリアでは裂けるチーズは“パスタ・フィラータ”といい、種類も多いようです。
チーズをこのようにするためには、いったん固めたチーズを砕いてから熱湯を加えて練ります。この工程を“フィラトーラ”といい、こうするとチーズが繊維のようになり、糸状に裂けるのです。
この種のチーズの代表格はプロヴォローネで、そのほかカッチョカヴァッロ、モッツァレラ、スカモルツアなどがあります。パスタフィラータの中では、モッツァレラはフレッシュのまま食べますが、固くして長期熟成させて料理に使うチーズの方が多いのです。
- なぜカプリ風?トマトとモッツァレラのサラダ
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モッツァレラとトマトを薄切りにして交互に並べ、バジルをあしらったサラダを“カプレーゼ(カプリ風)”と言います。カプリ島はナポリ湾に浮かぶ小さくて美しい島。ただし、なぜこのサラダがカプリ風なのかはよくわかっていません。
<参考文献>
- 「チーズの教本」NPO法人チーズプロフェッショナル協会 制作・発行
- チーズ&ワインアカデミー東京著「チーズ」株式会社西東社
- 岡部隆男編「Cheese」(別冊25ans ELEGANT COOK)婦人画報社
- 「プロのための乳製品ハンドブック CHEESE」 社団法人 日本乳製品協会/社団法人 全国牛乳普及協会 編集・発行
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