- ノルマンディー圏
- ペイ・ド・ラ・ロワール圏
- ブルターニュ圏
チーズ王国として名高いノルマンディー地方。
英仏海峡に面するフランスの最北西部で、牧草地や果樹園、穀物畑が広がるのどかな田園地帯です。
メキシコ湾流の影響から年間を通じて雨が降ることと気温差が小さいため、牧草の生育に適しており、冬でも緑豊かな牧場を見ることができます。そのため、バターやチーズの加工が盛んに行われています。
また、リンゴ農園が多く、リンゴを使って作られる発泡酒シードルや、シードルを蒸留して作られるカルヴァドスとよばれるお酒の産地でもあります。
フランス西部生まれのチーズ
フランス西部のチーズを使ったレシピ
フランスのチーズ豆知識
- 1つの村に1つのチーズ!?
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フランスでは、チーズに地名や町村の名前をつけているものがたくさんあります。ノルマンディの名品、カマンベール、リヴァロ、ポン・レヴェックなどはそのまま村の名前に由来しています。
さらに、パリ近郊のモーには有名なブリ・ド・モーがあり、クロミエの町にも同名のチーズがあります。その他にも、ロックフォール、マンステール、ヴァランセなどなど…。
- カマンベールはマリーが発案
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最近、食卓でよく見かけるチーズのひとつ、カマンベール。今からおよそ200年ほど前、フランスのノルマンディー地方の小村、カマンベールに住むマリー・アレルという農家のおばさんが作ってナポレオン1世に献上し、称賛されたという逸話があります。ところが、それは同名の娘のマリーがナポレオン3世に献上したという説もあるのです。どちらにしても、ナポレオンのおかげでこれまた一地方のチーズが一躍有名になったわけです。さらに、1928年、カマンベールで儲けたアメリカ人が、カマンベール村に近いヴィムーティエにマリーおばさんの像をたてたことから、カマンベールはフランスを代表するチーズのひとつになりました。
- お酒や塩水で‶洗う″からウォッシュ
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ノルマンディー地方のペイ・ド・オージュ地区は “チーズ街道”として有名ですが、カルヴァドスやシードルの名産地としても知られています。
そこで登場したのが、おいしい乳から作ったチーズを何度も地酒で洗って熟成させるこの製法。ノルマンディ地方ならシードル(リンゴ酒)やカルヴァドス(シードルをさらに蒸留して作ったブランデー)、ブルゴーニュ地方ならマール(ワインの醸造工程で出るぶどうの絞りかすから作ったブランデー)などで洗って熟成させることから、“ウォッシュチーズ”と呼ばれるようになりました。
<参考文献>
- チーズ&ワインアカデミー東京著「チーズ」株式会社西東社
- 岡部隆男編「Cheese」(別冊25ans ELEGANT COOK)婦人画報社
- 「プロのための乳製品ハンドブック CHEESE」 社団法人 日本乳製品協会/社団法人 全国牛乳普及協会 編集・発行
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