骨マガジン vol.27
荷物を持つ・手を振る・着替える…私たちが日常生活の中で何気ない動作を行う時、大活躍しているのは手首です。そういった動作が問題なく行えるのは、前後左右に細やかな動きができる手首があるからこそ。小さな動作の一つ一つに手首が関わっているのです。
大事な役割をもつ手首は、骨折の多い部位の一つであることはご存知でしょうか?特に高齢になると、つまずいたときにバランスを崩して転倒してしまうことが多くなります。転んだ際に手をついてしまい、骨が弱っているとそれだけで骨折してしまうのです。
高齢になると、住み慣れた自宅の中で転倒事故を起こすことが多くなります。少し古い調査ですが、約10%の人が、1年間に自宅内で転んだことがあるという調査結果があります。(内閣府「平成22年度高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果」)滑りやすい浴室や階段などは、注意するのはもちろんですが、意外に多いのは自宅内で転倒した場所で2割を占めるのが「居間・茶の間・リビング」です。一見、安全と思える部屋でも、カーペットや敷居、畳のへりなどのちょっとした段差でつまずくことがあるため、注意が必要です。
転倒を防ぐには、自分の身体をしっかりと支えられるよう、筋力やバランス感覚を鍛えることがとても重要です。日頃から、無理のない範囲でウォーキングや体操を行ったり、ストレッチで柔軟性を高めておくことがおすすめです。また、家の中では、床に荷物を置かない、家電の電源コードなどの配線位置にも注意する、危険な場所は手すりを設置するなど、転びにくい室内環境づくりを心がけましょう。