サステナビリティ

酪農生産への貢献

私たち雪印メグミルクグループは、日本の酪農を基盤として成り立っています。私たちは、日常の公正な生乳取引等はもちろんのこと、酪農生産者の良きパートナーとして信頼関係を深め、乳の価値をしっかりと伝えていくことで酪農生産者の想いに応えていきます。
そして、牛乳・乳製品の需要拡大を実現することで、国内酪農生産の基盤の強化と持続的発展に貢献していきます。

持続可能な酪農生産

雪印メグミルクグループが取り組む酪農貢献

酪農のサステナビリティ

経営実証農家・実証圃場(ほじょう)による調査研究

「経営実証農家」は土壌管理、植生管理による自給飼料の生産拡大・利活用を基本に、総合的な飼養管理の改善、経営分析・診断により酪農経営の安定化と向上を図る調査研究です。当社グループの強みでもある雪印種苗の持つ植生改善や飼養管理技術のノウハウを活かすとともに、地域の農協・行政等の関係団体とも連携し、得られた成果を共有することによって、当該農家だけでなく地域全体への普及を目指す取組みを進めています。本取組みは、2009年以降これまで5件実施し、2024年より新たに1件を対応中です。
「実証圃場」は自給飼料生産圃場を選定し、それぞれのテーマに沿って自給飼料の生産拡大を支援する取組みです。現在は「多草種(8種)混播による“よい牧草”作りの実践」をテーマに、特に気候変動リスクへの対応を鑑みた実証調査を行っており、こちらも雪印種苗の草地管理や植生改善技術を活かす取組みのひとつです。

※牧草や餌となる作物を育てる農地のこと。

株式会社TACSしべちゃ

TACSしべちゃは、北海道内でも有数の酪農生産地帯である標茶町において、JAしべちゃ(標茶町農業協同組合)・標茶町・当社グループである雪印種苗が共同出資して設立された酪農生産法人です。広大な北海道の牧草地を活かした自給飼料の生産による酪農経営モデルの確立・普及、新規就農を目指す方の研修牧場として2013年度から地域の中核的な牧場としての役割を担っています。当社グループの強みである雪印種苗のもつ牧草管理や飼養管理技術に関するノウハウを提供することで雪印メグミルクもTACSしべちゃの経営に参画し、行政や地域農協と連携し持続可能な酪農経営の確立を生産者とともに目指しています。

アニマルウェルフェア

アニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮した乳牛の飼養管理は、倫理面はもとより、酪農乳業産業の発展(生乳品質向上、生産性向上による酪農生産基盤の強化)に資する有効な手法としても、当社グループの企業理念に沿うものと考えています。
このため、私たちは「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づく「産業動物の飼養保管に関する基準」や、公益社団法人 畜産技術協会による「アニマルウェルフェアの考え方に対応した乳用牛の飼養管理指針」、農林水産省による「畜種ごとの飼養管理等に関する技術的な指針」に基づいた、飼養管理のさらなる普及・浸透に向けた関係者の取組みに対して、協力・支援を行ってまいります。
また、雪印種苗や酪農総合研究所などによる調査・研究や、酪農現場での助言・進言などを通じて、アニマルウェルフェアに配慮した生産者の皆様の取組みに対する支援を行っています。

酪農経営の調査研究と改善に資する組織

酪農総合研究所

酪農総合研究所は、雪印乳業の創立50周年記念事業の一環で、多くの関係機関・団体のご協力のもとに、当時わが国唯一の民間による酪農調査研究機関として1976年に設立されました。酪農産業に関わる幅広い分野の科学的、実践的調査研究と成果の普及を通じて、酪農の発展と食糧の安定供給に寄与することを目的に発足し、社内研究所となった今でもその精神を受け継いでいます。自給飼料の生産・利活用による酪農経営の向上や持続的酪農経営の在り方を目指す「経営実証農家」、その時々の酪農現場が抱える課題、例えば気候変動に対応した乳牛の飼養管理に係る情報提供や、その課題解決に向けた討議を行うことを目的として、講師をお迎えし、毎年「酪総研シンポジウム」を開催しています。

酪農諮問委員会

酪農諮問委員会は、生産現場を代表する生産者や酪農乳業の有識者に参画いただき、代表取締役の諮問機関として当社グループの酪農に係る取組みや乳業への期待等幅広くご意見やご助言をいただいたり、わが国の酪農のあり方に関する意見交換を行っています。2010年より年2回の開催を実施しています。


■酪農諮問委員会 委員一覧
任期:2024年4月1日~2026年3月31日

諮問委員

坂井 正喜

元大樹町農業協同組合 代表理事組合長

相馬 義樹

元全国酪農青年女性会議 監事

伊藤  強

元東北生乳販売農業協同組合連合会
代表理事専務

鈴木 宣弘

東京大学大学院農学生命科学研究科
特任教授

矢坂 雅充

公益財団法人日本農業研究所 研究員

清水池義治

北海道大学大学院農学研究院食料農業市場学研究室 准教授

日本酪農青年研究連盟への支援

日本酪農青年研究連盟(通称:酪青研(ラクセイケン))は、酪農経営や乳牛飼養管理技術等の情報を得ることが困難であった1948年という時代に、北海道で酪農生産者自らが相互の情報交換により酪農経営を向上させる目的で発足した国内で最も歴史のある実践的研究団体です。現在ではその活動の輪は全国に広がり、約1,400名の酪農家が参画しています。全国各地域の酪農経営事例や成果を相互に共有する「日本酪農研究会」、海外の酪農経営事例を学ぶ「海外酪農研修会」、その時々に酪農生産現場が抱える課題に関する勉強会「中堅会員研修会」等の活動を通じて国内酪農の発展を目指しています。当社グループは酪青研発足当初より会の運営サポート・事業企画提案等を事務局として支えています。

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酪農理解のためのPR施設

酪農と乳の歴史館

酪農と乳の歴史館は、1975年に雪印メグミルクの前身のひとつである北海道製酪販売組合の創立50周年を記念して建設計画が企画され、1977年9月に雪印乳業史料館として落成しました。
創業以来の歴史を物語る重要文献や貴重な資料等を収集の上、一同に展示し、製造機械などの実物標本によって発展の歴史的経過を明確にして、後世に正しく伝承したいとの願いを込めたものです。
館内には、日本の酪農、乳業に関わる貴重な史料がわかりやすく展示されており、開館以来約390万人もの方に見学していただきました。
また、酪農と乳の歴史館は2004年に北海道遺産に、館内の史料は2007年に国の近代化産業遺産に登録されています。
日本で最初の、酪農と乳の歴史を展示した歴史館。見学は無料です。
札幌にお越しの節は是非お立ち寄りください。

酪農と乳の歴史館(札幌工場隣接)

株式会社雪印こどもの国牧場

神奈川県横浜市にある雪印こどもの国牧場では、来場者に牧場見学や酪農作業の実習などを通して「食と命の関係」を体感していただき、酪農への理解を深めていただく活動に取り組んでいます。
「酪農教育ファーム」では、酪農についての話を聴くことができ、餌やり、乳搾りなども体験できます。また、「バター・チーズづくり教室」では、酪農、生乳生産、牛乳・乳製品ができるまでを一連の流れで体験することができます。そのほか大学生や専門学校生を対象にした牧場実習や、中学生を対象とした職場体験などの受け入れ、近隣中学校などからの要請を受けて、牧場担当者が学校に訪問し酪農に関する講義を行う「牧場出張授業」なども積極的に行っています。

酪農生産を支援するグループ企業

雪印種苗株式会社

「酪農・農業に貢献する事業活動を通して社会を豊かにしたい」という想いを創業以来70年以上の歴史の中で貫き、酪農畜産の発展と酪農経営のための牧草飼料作物種子、配合飼料、農業資材を提供している会社です。特に気候・風土に対応した品種開発力と牛用配合飼料の開発力を強みに、酪農畜産農家をサポートしています。

ニチラク機械株式会社

牛乳・乳製品を含む食品加工技術や設備の製造・販売を行っているエンジニアグループ会社です。また、その専門知識と技術力を活かし、酪農家やミルク工房に対して、製造機器の提供や技術指導を行うことで、6次産業化を継続的に支援しています。

※一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取組みのこと。

その他の取組み

機関誌による情報提供

「酪農」誌は、雪印メグミルクが酪農生産者および酪農関係機関、日本酪農青年研究連盟(酪青研)の会員の方々への情報提供を目的として、雪印乳業の前身=北海道製酪販売組合連合会時代の1933年に創刊し、現在は隔月で発行しています。
発刊当初から酪農技術はもとより、社内外の情勢や地域トピックスなどを発信し、情報が貴重だった時代から当社と酪農生産者をつなぐ情報誌として、酪農と乳業の連携に寄与してきました。現在は、雪印メグミルクの酪農部が編集し、酪農部長が発行人となっています。

北海道包括連携協定 チーズ製造の技術レベル向上に向けた研修の実施

北海道および雪印メグミルクが主催する「北海道ナチュラルチーズ製造レベルアップ研修会」には、北海道との包括連携協定「酪農の振興に関する事項」に沿い、チーズ製造技術の普及に協力することを目的として、2008年から講師の派遣や施設の提供などで協力しています。
2024年8月に開催された「基礎研修」には、道内各地からチーズ作りを目指している約30名が参加し、雪印メグミルクおよびニチラク機械より講師を派遣しチーズ製造に関する品質・衛生管理の講習会を実施しました。また、2025年3月に山梨県北杜市小淵沢町の当社チーズ研究所において、2日間にわたり実施した、チーズ製造者の養成を目的とする「ナチュラルチーズ製造実習」には、「基礎研修」の参加者よりチーズ作りの技術向上を目指す2工房から2名、今後チーズ製造を検討されている方1名、合計3名が参加しました。他にも、北海道内の農業高等学校の生徒を対象としたチーズ製造に関する特別出前授業や、北海道内チーズ工房の勉強の場・交流の場として立ち上げた「雪印メグミルクチーズワークショップ」を北海道庁と共催で実施するなど、道内チーズ工房の支援と道産ナチュラルチーズの振興に努めています。
いずれの取組みも北海道や参加者から高い評価を受けています。
今後も北海道の酪農基盤の強化と酪農・乳業の発展に貢献すべく、これらの取組みを継続しています。

北海道庁との包括連携協定

乳の食育

「食育出前授業」「骨・カルシウムセミナー」「チーズセミナー」「ヨーグルトセミナー」などさまざまな食育活動を実施し、食の大切さや尊さ、牛乳・乳製品の価値を伝えています。また、乳の栄養や美味しさを通じて、人々が明るく健やかな生活を送るお手伝いをしています。

乳の食育 食コミュニティ

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