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Ski Jumping
スキージャンプをもっと知ろう!

How to Score 採点方法

勝敗のポイントは「飛距離」と「ジャンプ・着地の美しさ」。
具体的には飛距離をポイントとした「飛距離点」と、美しさをポイントとして数値化した「飛型点」、
この2つを合計して、1回のジャンプの獲得ポイントとしています。
選手には2回ジャンプするチャンスが与えられており、合計ポイントで勝敗を競います。

1回目のジャンプ(飛距離点+飛型点)+2回目のジャンプ(飛距離点+飛型点)=合計ポイント(順位)

飛距離点|飛んだ距離が点数に

飛距離の計算をする時は、K点を基準に考えます。
K点=60ポイント。あとはK点との距離に応じて1mごとにポイントを加減していきます。加減するポイント数は、K点が120mの場合は1.8ポイント、K点90mの場合は2.0ポイントです。
たとえば、K点120mで130mを飛んだ場合は60(K点のポイント)+10×1.8(加算ポイント/m)=78ポイント
が飛距離点になります。

飛型点|減点法で採点

ジャンプの美しさ、正確さ、着地姿勢などを5人の飛型審判員が20点満点から0.5点単位の減点法で採点します。公平を期するため、一番高い点数と一番低い点数を除いた3人の合計を足した数が飛型点です。満点は60点。
たとえば、

A:18.5、B:19.0、C:18.0、D:18.5、E:17.5

という点数の場合、19ポイントのB審判員と17.5ポイントのE審判員の点数を除いて18.5+18.0+18.5=55ポイントが飛型点になります。

合計すると78ポイント(飛距離点)+55ポイント(飛型点)=133ポイントこれが1回のジャンプの得点です。2回目も同様の方法で点数を算出しています。

飛型点の減点ポイント
飛行中 膝の伸びやスキーの位置などで、最大5.0ポイントの減点
着地 「テレマークを入れなかった」「テレマークを入れたが不安定」の場合は、2.0~最大5.0ポイント減点
関連:用語集「テレマーク」
転倒 最大7.0ポイントの減点
関連:用語集「転倒ライン」

ウインド/ゲート補正システム

スキージャンプは風の影響を受けやすい競技であり、またスタート位置も飛距離に影響するため、不公平さをなくす目的で、2009年夏以降「ウインドファクター」と「ゲートファクター」の2つの採点方法が導入されました。

ウインドファクター
/風の影響をポイント化したものです。選手が飛ぶごとにリアルタイムに計算されます。ノーマルヒルは5カ所、ラージヒルは7カ所の風を測定し平均値を計算します。追い風ならば加点、向かい風では減点されます。ウインドファクターの計算式はジャンプ台ごとに変わります。
ゲートファクター
/スターティングゲートを基準より高くすると減点、逆に低くすると加点されるルールです。点数はジャンプ台ごとに適した特殊な公式に基づいて計算されます。ゲート1mアップは飛距離に換算するとおよそ5m増。ゲート差は通常50cm〜60cmです。

How to Proceed 競技の流れとルール

1. 事前の準備段階のルール

競技の前の準備段階で、スキー板の長さやユニフォームのルールがあります。

スキー板

ジャンプのスキー板は、普通のアルペンなどのスキー板に比べ非常に長く軽く作られており、幅はおよそ10.5cmほど。ビンディング(スキー板に靴を取りつける器具)の位置はスキーの長さに対し前方から57%以内など、細かい規定に基づいて設計されています。
スキー板に関連する重要なルールとして、使用できるスキーの長さをその人の体重で定めるBMI*1ルールがあります。これは、過剰な減量による選手の健康への弊害を防ぐために定められたルールです。
FIS国際スキー連盟が定める「スキー板の長さと体重の測定表(Measurement table for ski length and weight )*2」によって、選手が使用できるスキー板の長さが決められています。BMI*1で算出された数値を基準値とし、身長に対し最大で145%の長さのスキー板を使用することができます。過剰な減量による健康への弊害を防ぐ為、体重が軽い選手はスキー板が短くなるように測定表は設定されています。

体格指数(BMI-Body Mass Index)(*1)
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI
BMIから算出されるスキー板の長さ(*2)
*ジャンプ競技の場合、ジャンプスーツ着用時の体重を計算値として使用。
(ゴーグル・ヘルメット・ブーツなし)
ジャンプスーツ
着用時のBMI
21.0 20.5 20.0 19.5 19.0
身長に対する
スキー板の長さ
145% 143% 141% 139% 137%

たとえば、身長1m78・体重65kgの選手の場合、
65÷1.78÷1.78=約20.5 になり、
1.78×1.43=約2.55 身長に対して143%の長さの板(2m55)を使用できます。

図:BMIから算出されるスキー板の長さ

スーツ

ジャンプスーツと呼ばれる、サーフィンのウェットスーツのようなものを着用します。現在(2015年7月現在)の規定では、厚さは4~6mm以内、通気性は40ℓ/㎡/秒以上と決まっています。夏、冬ともにスーツの違いはありません。

ヘルメット

アルペンや様々なスキー競技で使用されているのと同じ、軽量化されたヘルメットを使用します。

選手のプロフィールへ(使用しているマテリアルの情報があります)

2. スタート時のルール

バーの位置

テレビで試合を見ているときに、スタートバーの位置が変更されるのを見たことがありませんか?実はこの位置を決めているのは競技運営委員。選手の安全を大前提として飛びすぎなどを考慮して、各ラウンドごとに決めています。上記に加え、各チームコーチからのリクエストにより、スタートバーの位置を下げることが可能です。(上げることはできません。)

時間制限

スタート時、選手に与えられる時間はごくわずか。選手はゲートに入り、シグナル(信号)が青色に変わってから10秒以内にスタートをきらなければなりません。
逆にいえば、選手は10秒以内なら「風を待つ」ことが許されているのです。これを「10秒ルール」といいます。向かい風は選手に有利に働き、飛距離が伸びます。逆に追い風や横風は不利に働きます。

3. 着地時のルール

着地点の見方

着地の際に前後に開いた足と足との中間点で距離を計測しています。スキー板そのものは基本的には無視されます。

Various Formats of Game いろいろな試合の形式

団体戦のルール

4名のジャンパーの2本の合計で競います。ただし、全員が同じ条件で競技をするのではなく、4名を4組に分け、各組ごとにゲート位置などの設定が行われます。条件が同じなのは、各組同士の選手だけです。

KO(ノックアウト)方式のルール

予選通過50名が2人1組(1対1)の25組で決勝の1本目を競うシステムで、決勝の2本目はKO勝者25名と敗者の中から上位スコア5名の計30名で競い合います。ワールドカップヨーロッパジャンプ週間のみ適用されています。

MIX(混合団体)戦のルール

男女2人ずつが2本のジャンプを飛び、合計ポイントを競います。2012年のワールドカップで初めて国際大会で導入され、オリンピックでは2022年の北京大会から新種目として採用されました。

International Games おもな国際大会

FIS ワールドカップ

FIS(国際スキー連盟)が主催する大会です。ウィンターシーズンに世界各地を転戦し、個人ポイントを積み上げて、シーズン終了時点で総合順位が決まります。総合優勝は大変な名誉です。各国のA代表が参戦します。日本では、札幌大倉山ジャンプ競技場で2試合が行われます。2011-2012シーズンは伊東大貴選手が札幌の2戦を制し、シーズン4勝し総合4位を獲得しました。

FIS サマーグランプリ

FIS(国際スキー連盟)が主催する大会です。サマーシーズンに世界各地を転戦します。

FIS コンチネンタルカップ

FIS(国際スキー連盟)が主催する、ワールドカップのワンランク下の大会です。日本では、札幌大倉山ジャンプ競技場で2~3試合行われています。

FISノルディックスキー世界選手権大会

FIS(国際スキー連盟)が主催する、2年に一度の大会です。個人戦(ラージヒル・ノーマルヒル)・団体戦でメダルを争います。

オリンピック冬季競技大会

IOC(国際オリンピック委員会)が主催する、4年に一度の大会です。個人戦(ラージヒル・ノーマルヒル)・団体戦でメダルを争います。

上記大会にはそれぞれ女子の部も設けられています。(女子はノーマルヒルのみ)