骨マガジン vol.35
食事や運動に気をつけているのに、骨密度がなかなか上がらず悩んでいる方、実は今の対策だけでは十分ではない可能性があります。今回は、適切な食事と運動についてご説明します。
骨と言えばカルシウムですが、日本人は全年代でカルシウムの平均摂取量が推奨量を下回っています。50歳以上の推奨量は男性が700mg/日、女性が650mg/日ですが、骨粗しょう症予防に効果的な量は700~800mg/日とされており、なんと成長期の男子の推奨量と同等です。
また、カルシウムは、摂取量の全てが体内で吸収される訳ではなく、吸収率は牛乳で40%、小魚で33%、野菜で19%です。これまで同様か、それ以上にカルシウムは意識して摂りたいですね。
摂ったカルシウムを効率よく体内に吸収し、骨に定着させることも大切です。
健康な骨づくりには、腸内でカルシウムの吸収を高めるビタミンD、カルシウムの沈着を助けるビタミンKが必要となります。ビタミンDは鮭や干ししいたけ等、ビタミンKは納豆・緑黄色野菜・海藻類がおすすめです。
ビタミンDは日光浴によって皮膚でも作られます。夏は熱中症に注意して、木陰で30分過ごすだけでも効果があります。たんぱく質は、筋肉にはもちろん、骨にも重要な材料ですので、肉・魚・卵などを、毎回の食事に必ず取り入れましょう。
摂り過ぎに気をつけたいのがリンです。リンの摂りすぎはカルシウムの吸収を妨げます。インスタント麺、ハム、炭酸飲料など、リンが多く含まれる加工食品の摂りすぎには注意必要です。大切なのは、骨を意識したバランスの良い食事を1日3食摂ることです。
運動も大切です。骨は、負荷がかかると強くなるので、水泳よりもウォーキングや球技が良いと言われています。階段の上り下りや「かかと落とし」だけでも効果的ですので、骨を意識した運動を取り入れてみましょう。
「骨ちょっといい話」では、雪印メグミルク管理栄養書監修の骨に良いレシピや、ご自宅でも簡単にできる骨に良い体操も公開中です。
そちらも参考に是非骨密度アップに取り組んでみてください。