骨マガジン vol.32

骨密度測定結果の見方について解説します!

骨密度測定結果の見方について解説します!

骨密度測定で使用されるYAMとは?

骨は小児から成人となる成長期に丈夫になり、骨量も増大して20代でピークを迎え、その後加齢とともに減少します。骨密度測定に使用されるYAMという指標は「Young Adult Mean」の略で「若年成人平均値」を意味します。
「対YAM(%YAM)」は、若年成人(20~44歳の健康な人)平均値を100としたときの現在の自分の骨量の割合を表した数値です。
80%未満は要注意、70%以下まで減ると骨粗しょう症と判定されます。

結果例)

もう一つの指標に同年代の骨量と比較した「対同年齢」がありますが、「ほぼ同年齢と同じだから安心だわ」と「同年齢平均値」の数値だけで判断するのは危険です。より重要な 「対YAM(%YAM)」 の数値を見て、少しでも骨密度を減らさない努力が大事です。

測定方法による結果の違い

また測定方法により、測定部位や精度などに差があります。

評価方法 測定部位 測定方法
超音波測定法(QUS) 踵骨(かかと)など 骨量によって超音波が通過する速度が異なる原理を利用した測定。

※測定結果は骨密度ではなく「骨量」。

※X線を使用しないので、妊婦でも測定可能。

MD(エムディ)法 第二中手骨 手の骨と厚みの異なるアルミニウム板をX線で撮影。骨とアルミニウムの濃度比較で骨密度を測定。
DXA(デキサ)法 腰椎、大腿骨、全身骨など 2種類の低エネルギーX線使用の骨密度の測定法。

超音波測定法やMD法は、簡易な機器で手軽に検査が出来る反面、整形外科などのDXA法に比べると精度に差があります。しかし、定期的に測定することも重要ですから、気軽に安価に検診を受けられるという点でメリットがあります。
整形外科などが、DXA法で腰椎を計測するのは、腰椎は骨代謝が盛んで、その他の部位での測定より骨密度の変化を 顕著にとらえる事が出来るためです。しかし、腰椎が変形している場合、測定できません。詳しくは最寄のDXA法での検査を実施している整形外科などへお問合せください。
健康診断や人間ドックでは、骨密度測定はほとんど含まれていません。特に女性は40歳を過ぎたら一度検査しておくことがお勧めです。各自治体では、健康増進法に基づく事業として、40~70歳の女性を対象に、5歳刻みで骨粗しょう症検診を行なっているところもあります。詳しくは、各自治体にお問合せください。
「要指導」や「要精検」と判定されたときは、自己判断せずに医師に相談してみましょう。

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