骨マガジン vol.22
街を歩く方をみていると、背筋を張って颯爽と歩いている方もいれば、背中が丸まって小さく見える方もいます。姿勢が美しいご年配の方もいる一方、若い方でも姿勢が悪い方もいるので、年齢と姿勢は必ずしも関係ないのかもしれませんが、姿勢が悪く見えるのは、お年を召された方が多いのも事実。実際、年をとると姿勢が悪くなるのは、避けられない自然現象なのでしょうか?姿勢が悪くなっているのは、年齢ではなく骨折のせいかもしれません。
骨折というと、転倒したり、強くぶつけたりして起こることが想定されますが、そうではなく、「普段どおりの生活をしているのに調べてみたら骨折していた…。」ということがあります。このように、特別な原因もなく、普段の生活で骨折してしまうことを「いつのまにか骨折」と呼んでいます。最近、「①背中が曲がってきたり」、「②背が縮んだ気がしたり」、「③腰が痛かったり」する自覚症状はありませんか?腰痛があればご自身で気づくことができますが、背中が曲がったり、背が縮んだりしただけではなかなか気づくことはできません。お友達から指摘されて、初めて気づく方も多くいらっしゃいます。
「いつの間にか骨折」の原因は様々ありますが、そのひとつとして考えられるのは骨粗しょう症です。骨粗しょう症は、骨の強度が低下して、骨折するリスクが大きくなる病気のこと。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「いつの間にか骨折」の可能性がある症状と骨粗しょう症が疑われる症状はぴたりと一致します。
骨粗しょう症になると、骨の中がスカスカになってもろくなり、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。それを防ぐには、骨密度の低下を抑えることが大切です。
背中が曲がってきたなどの自覚症状がある方は、一度病院で診察を受けることをおすすめします。「いつの間にか骨折」を放置すると、その部分に負荷がかかり、周りの骨も折れてしまうことがあります。そして、それが進行すると寝たきり状態になってしまう方もいらっしゃるとのこと。早めのチェックと早めの対策がとても重要です。