骨マガジン vol.14
今回は身長が伸びるとき、骨がどのように変化するのかをお話したいと思います。
幼少期から成長期にかけて人の体は大きく成長します。身長も伸びますし、それに伴い体重も増加します。人生80年を超えて生きていくために必要な、丈夫な身体が作られていくわけです。
「背が伸びる」とは、「骨が伸びる」ことです。骨にはとなりの骨と接近している(骨端)の内側に「骨端線(こったんせん)」という線状の組織があり、この部分にある軟骨が伸びて大きくなり、骨に変化することで、骨は成長します。レントゲン写真で見ると、この軟骨の部分はレントゲンに写りづらい為、「骨端線」部分は隙間があるように見えています。
子どものころの骨端線の軟骨は軟らかく、活発に活動しているため伸びやすい状態となっていますが、10~15歳を過ぎた頃から徐々にその活動をやめてしまい、一定の時期に達すると固まって伸びなくなります。成長期の頃はぐんぐん背が伸びても、大人になると伸びないのはこういったメカニズムのためです。
骨端線を活性化させ身長を伸ばすには、「成長ホルモン」の分泌、新しい骨をつくる働きを持つ「骨芽細胞」の活性化や、「骨を作る栄養」などの条件が重要と言われています。
成長ホルモンは骨の成長を進める成長因子をつくり、これが骨に働きかけることで骨を成長させます。成長ホルモンは、深い睡眠をとっているときに大量に分泌され、睡眠が浅いと分泌されにくくなるので、質のよい睡眠をとることがとても大切です。
骨芽細胞を活性化させたり、骨をつくるための材料として、たんぱく質(お肉や卵など)やビタミン(野菜などに含まれるビタミンB群など)やカルシウム(乳製品や魚など)やマグネシウム(納豆、しらすなど)などの栄養も十分に摂る必要があります。また適度な運動で骨に刺激を与えることも大切です。
骨の成長を促すためにも、バランスのとれた食事や規則正しい生活はとても大切です。
身長が伸びるためには遺伝的な要素がある、といった研究発表も多くありますが、自分で出来る対策として、今回ご説明したような、さまざまな対策を実施することをお勧めします。