そうだったんだ乳牛
みなさんは、乳牛というと何を思い出しますか。
モーと響く啼き声? それともあの大きな黒い瞳でしょうか。乳牛は最も大型の家畜です。ホルスタイン種を例に、そんな乳牛の体の秘密をピックアップしました。
ビッグサイズにビックリ
乳牛の背中までの高さは150cmほど、肩からお尻にかけては170cmくらい、胸囲は2m以上あります。体重は600〜700kgにも。一日分のえさは青草だと50〜60㎏、乾草や穀物などを混ぜたもので15〜30㎏。糞の量も一日20〜40㎏、尿は6〜12ℓと半端ではありません。また、4つのおっぱいから搾られるミルクの量は、一日大体20〜30ℓ、つまり牛乳1ℓパック20〜30本分にもなります。
牛の4つの胃袋
牛には第1胃から第4胃まで、胃袋が4つもあります。これは食べた草を胃袋の中に棲む微生物の力ではっ酵させて、微生物ごとゆっくりと消化していくためのシステムなのです。胃袋はおなか全体の3/4を占め、中でも最も大きいのは第1胃です。この中に草の繊維質を分解する微生物がたくさん棲んでいて、食べた草はまずここで微生物によって分解されはっ酵します。このときメタンガスも発生します。牛のゲップの原因ですね。草は第2胃でも微生物によりはっ酵され、第3胃でさらに消化が進み、最後に第4胃で消化液が分泌して消化される仕組みです。第4胃が人間と同じはたらきをする胃です。
いつもモグモグ
牛はいったん第1胃に入れた餌を口に戻してはすりつぶし、また飲み込む「反すう」の習性があります。こうした習性を持つ動物を反すう動物といい、羊もヤギも同じ仲間です。そういえば、羊もヤギも始終口を動かしていますね。牛の反すう時間は一日の1/3ほどに及びます。大きなあごを動かしては奥歯で草をすりつぶします。分泌される唾液も一日で実に90〜180kg。この唾液は胃の中を中和させて微生物の働きも活発にし、えさのはっ酵を助けます。
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