カゼイン本格生産
カゼインは、製紙、紡績、合板、塗料、農業薬剤、その他各種工業用として需要が拡大していた。
更に、軍用機などの飛行機製造の必要資材として重視されていた。
しかし、国産カゼインの生産は皆無に近く、90%以上を輸入に頼っていた。
牛乳に含まれるたんぱく質の大部分はカゼインであり、バターを製造したときに分離する脱脂乳がカゼイン製造原料の唯一無二のものであった。
バター生産が急増する中で脱脂乳の新生面を開くことが酪連にとって急務であった。
北海道製酪販売組合連合会(酪連)は、昭和8年「カゼイン国産独立十ヵ年計画」をたて、陸・海軍大臣、農林大臣及びに内閣資源局長官にこの計画を具申し、助成を請願した。
道庁などから施設に対する助成を受け、昭和10年以降、本格的なカゼイン事業を開始した。