トップメッセージ

わが国経済は、雇用・所得環境が改善する状況下で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復しており、今後も続くことが期待されます。先行きについては、世界的な金融引締め等が続く中、ウクライナや中東地域の紛争、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
食品業界においては、外食需要がインバウンド需要の増加等も受けて、回復傾向にあります。一方で、世界的な原材料価格やエネルギー価格等の高騰の勢いはやわらいだものの、様々な商品価格は高止まりしており、消費者の購買行動に影響を与えています。

このような環境下、当社グループは「新たな成長のタネづくり」、「基盤活用による物量の拡大」、「国内酪農生産基盤の強化・支援」に向けた取組みを事業戦略の3つの柱とする「雪印メグミルクグループ 中期経営計画2025」をスタートしました。
初年度となる2023年度は、すべてのバリューチェーンにおける生産性の向上とコスト構造の見直し、適切な価格形成による「コストアップへの対応」、環境変化に対応した「トップラインの維持・拡大」、およびアジアを中心とした海外やECビジネス等の「新たな成長のタネづくりとその取組みのスタート」を重要取組事項と位置付け、積極的な取組みを進めました。昨年来実施している価格改定が浸透したことに加え、各種マーケティング活動の強化等に取り組み、2024年3月期は売上高、営業利益共に前年を上回ることができました。
以上の結果、当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高605,424百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益18,460百万円(前年同期比41.4%増)、経常利益19,888百万円(前年同期比37.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、19,430百万円(前年同期比112.8%増)となりました。

当社グループは、存在意義・志である、『社会課題解決を目指す「健土健民」という創業の精神で、乳で培われた私たちの幅広い知見や機能(ミルクバリューチェーン)によって、食の持続性を実現する』ことに向け、さらなる乳の可能性に挑み、魅力ある乳・乳製品を生み出し続けるとともに、酪農からお客様までつながる社会システムをより強靭なものにしていきます。そして、ミルクバリューチェーンを植物素材やフードテックにも活用し、新たな食の選択肢・可能性を広げ、そしてそれらを、海外にも展開することで、世界の食の持続性にも挑んでいきます。
新たな一歩を踏み出した当社グループへ、今後とも、これまでと変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長
佐藤雅俊
2024年5月14日