トップメッセージ

わが国経済は、雇用・所得環境が改善する状況下で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復しており、今後も続くことが期待されます。先行きについては、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっていることに加え、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要があります。
食品業界においては、外食需要がインバウンド需要の増加等も受けて、回復傾向にあります。一方で、世界的な原材料価格や物流コストの上昇により、厳しい経営環境が継続しています。また、賃上げ等による所得の伸びがみられるものの、食料品等身近な物価の上昇もあり、消費マインドの改善は足踏みの状況です。

このような環境下、当社グループは「新たな成長のタネづくり」、「基盤活用による物量の拡大」、「国内酪農生産基盤の強化・支援」に向けた取組みを事業戦略の3つの柱とする「雪印メグミルクグループ中期経営計画2025」を2023年度よりスタートいたしました。
その2年目となる2024年度は、「雪印メグミルクグループ経営方針2024」におけるテーマを「MOVE」とし、積極的な取組みを進めてきました。
以上の結果、当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高615,819百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益19,125百万円(前年同期比3.6%増)、経常利益20,262百万円(前年同期比1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、13,904百万円(前年同期比28.4%減)となりました。

さて、当社グループは、今年創業100周年を迎えました。この節目に、あらたな100年に向けたマイルストーンである「未来ビジョン2050」と、そこからバックキャスティングした新たな経営計画「Next Design 2030」を策定し、2025年度が最終年度である「グループ中期経営計画2025」から発展的に移行していきます。

私たちが掲げる「食の持続性」の実現という、大きな社会課題に取り組むためには、私たち自身が「ありたい姿」への進化に向け、強靭性を備えることが必要です。
「Next Design 2030」には、我が国の酪農乳業を持続可能な産業へ発展させるため、当社が業界のオーケストレーターとしてリードしていくという覚悟を込めています。
これまでの枠組みにとらわれずに、全く新しい発想で当社グループの、新たな100年に向けた、第二の創業ともいうべきアセット変革を断行し、「食の持続性」の実現と「企業価値」の向上を実現していきます。
飛躍的な成長を目指す、当社グループのこれからの取組みに、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長
佐藤雅俊
2025年5月14日