骨マガジン vol.18
骨粗しょう症は骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。
この骨粗しょう症の多くは「原発性骨粗しょう症」と呼ばれるものです。これは、原因となる明らかな疾患はなく、加齢や遺伝や生活習慣といった複合的な原因によって起こるもので、骨密度が若年平均値(YAM値)の70%を下回ると骨粗しょう症と診断されます。一方、特定の原因があるものを「続発性骨粗しょう症」といいます。
この続発性骨粗しょう症の中で近年注目されているのが、中高年男性を中心に増加している「新型骨粗しょう症」です。新型骨粗しょう症は、骨密度は正常なのに骨折してしまう病気です。これは、骨を構成しているコラーゲンというたんぱく質が糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病により糖化や酸化を起こすことが原因とされています。
骨の中にはカルシウムだけではなくコラーゲンが網の目状に張り巡らされ、衝撃に耐えられるよう、骨の弾力性を保っています。しかしコラーゲンの糖化や酸化により、弾力がなくなって骨質を低下させ、骨折しやすくなってしまうのです。
原発性骨粗しょう症の場合は骨密度が診断材料となりますが、新型骨粗しょう症の場合はコラーゲンの糖化や酸化の程度を簡単に確認できる検査法が無いため、現在のところ、事前に兆候を発見することが出来ません。
このように新型骨粗しょう症は生活習慣病と密接な関係があるため、予備軍も含めると近年増加の一途をたどっていると言われています。
新型骨粗しょう症のリスクを低下させるためには適度な運動や禁煙、バランスの良い食事といった生活習慣の改善が必要となります。
生活習慣が、骨にも影響を及ぼすという事実は知らない方も多いのではないでしょうか?健康診断などで糖尿病や高血圧、脂質異常症等を指摘されている方は、特に注意してみて下さい。
運動ではウォーキングやジョギング、スクワットなど重力のかかる運動をして骨に負荷をかけられるものが効果的です。食事ではビタミンB₆、B₁₂、葉酸を積極的に摂取すれば骨のコラーゲンの劣化を防ぎ、しなやかな折れにくい骨が出来ます。
生活習慣を見直すことは、骨粗しょう症を予防することにもつながります。
始められることから是非取り組んでみてください。