今月の
エッセイ
4月
2017
料理は限りなく楽しい
保存ビンにスプーンを添えるだけで
幸せな気持ちになります。
私はガラスビンの清潔感が大好きなので、保存容器としてよく使っています。結婚した当時(今から40年も前のことです)、今ほどいろいろな形は見かけませんでしたが、輸入品のジャム、マスタードのビンで気に入ったものがあれば、使い終わったらきれいに洗って熱湯消毒し、たれやソースを入れていました。コーヒーの四角いビンは自分でデザインした棚にぴったりなサイズだったので、乾物を入れて棚いっぱいに収納していました。ピッチャー型のオリーブ油を見つけたときはうれしくて、いくつも買ってはソースを入れたり、キッチンの一輪挿しにも使って楽しんでいました。
今でも雑貨屋さんに行くと自然に保存ビンに目が行きます。最近、見つけて気に入ったのは蓋の脇にスプーン差しがついたもので、好きなシリアルを入れたり、手作りのクッキーなどを保存しています。実用一辺倒ではない、やさしい空気がキッチンに広がる気がします。写真で私が手にしているのは、はちみつのビンにブルーのゴムテープをはめ、木のスプーンを差し込んだものです。同じように楽しめるこんなちょっとした工夫で、ビンは私を幸せな気持ちにしてくれます。