今月の
エッセイ
5月
2016
料理は限りなく楽しい
材料だけを書き出した
レシピカードが役立っています
孫が遊びに来たときのおやつや友人への手土産、あるいは仕事のスタッフと囲むお茶の時間に用意するお菓子を、私はいつも気にかけています。例えばふわふわパンケーキやフレンチトースト、シフォンケーキ、チーズケーキ、ヨーグルトスコーン、ジャムクッキー、カスタードプリン⋯⋯。どれも作り慣れたレシピなのですが、それでも忙しい合間に作ろうとすると手順は頭に入っていても「あら、牛乳はどれくらい?バターは?粉は何グラムだったかしら」ということもあります。料理の場合でも、ドレッシングやたれ、ソースの割合、肉じゃがや煮魚の調味料、麻婆豆腐や酢豚の合わせ調味料、いなりずしの油揚げの煮汁⋯⋯、いつもの味に仕上げるためにはちゃんと材料を確認したいものばかり。そこで私が数年前から始めたのが、材料だけを書き出したレシピカードです。カード用のリングでまとめてキッチンのコーナーにかけているので、見たいときにすぐ確かめられます。それまではいちいち自分の料理本やファイルを開いていたので、このやり方にしたらとても手軽です。うちに来る料理好きの人たちにも「いいアイデアね」とほめられます。もちろん料理家という仕事柄、自由な発想で作り出したり、アレンジする部分も多いのですが、一方でずっと変えずに作り続けたい味はこんな工夫をしながら大事にしていきたいと思っています。