雪印メグミルクグループ 企業行動憲章

序文

雪印メグミルク株式会社の前身の一つである雪印乳業株式会社の始まりは、1925年(大正14年)、酪農家による酪農家のための生産組織「有限責任 北海道製酪販売組合」の設立にあります。創業者達は、「酪農は大地の力を豊かにし、その豊かな大地から生み出された牛乳・乳製品は、最高の栄養食品として、健やかな精神と強靭な身体を育む。」という崇高な理想「健土健民」を掲げ出発しました。

以来、酪農とともに歩みを進め、牛乳・乳製品を中心に多角化を図り、日本を代表する総合食品メーカーへと成長を遂げました。しかし、2000年の食中毒事件、2002年の牛肉偽装事件という2つの大きな事件により、それまでに築いてきた消費者の信頼を失い、会社存亡の危機に陥りました。私たちは、酪農生産者、関係行政、取引先など、関係者の支援のもと、再建に向けた幾多の試練を乗り越え、2009年10月、日本ミルクコミュニティ株式会社と雪印乳業株式会社を経営統合するために共同持株会社 雪印メグミルク株式会社を設立しました。そして、2011年4月に3社が合併し、現在の雪印メグミルク株式会社が誕生しました。私たちは2つの事件を忘れることなく、高いコンプライアンスの意識を持ち、これからも事業活動を行っていきます。

2025年4月、創業100周年を機に、雪印メグミルクグループは企業理念にあたる「存在意義・志」を「健土健民」と定め、「私たちは社会課題に挑む精神で、人と自然が健やかにめぐる食の未来を育んでいきます。」というステートメントを掲げました。そして、「健土健民」に込めた想いをコーポレートスローガン「Love Earth. Love Life.」で表しました。創業者達が掲げた「健土健民」を雪印メグミルクグループの「存在意義・志」としてしっかりと受け継ぎ、未来を見据えた責任ある企業でありたいと考えています。

現在、私たちを取り巻く社会は、地球温暖化など環境問題の深刻化、貧困や格差の拡大、人権問題の広がりなど、多くの社会課題を抱えています。私たちは、酪農乳業という事業を通じて社会課題の解決を図り、健全で豊かな環境を保全し、将来世代にも継承することができる持続可能な社会の構築を目指します。私たち雪印メグミルクグループは、その実現に向けた基本姿勢として、「雪印メグミルクグループ 企業行動憲章」を制定いたしました。

雪印メグミルクグループ 
企業行動憲章

雪印メグミルクグループは、サプライチェーンのすべての段階において、「雪印メグミルクグループ 企業行動憲章」に基づき、関係法令、国際ルールおよびその精神を遵守し、高い倫理観のもと公正かつ誠実に行動していきます。

1.持続可能な企業価値の向上と社会課題の解決

私たち雪印メグミルクグループは、雪印メグミルクグループの企業理念を実現するため、事業活動を通じて、企業価値の向上に努めるとともに、社会課題の解決を図ることにより持続可能な社会の発展に貢献します。

2.消費者重視経営の実践

私たち雪印メグミルクグループは、消費者基本法に定められた「消費者の権利」と「事業者の責務」をしっかりと認識し、安全で安心していただける商品・サービスの提供、可能な限りの情報提供・情報開示を行い、消費者の声を傾聴し経営に反映していきます。また、危機管理の体制を整え、不測の事態には消費者の安全を最優先に考えて迅速かつ適切に対応します。これらを基本姿勢として、消費者重視経営を実践していきます。

3.公正な事業活動

私たち雪印メグミルクグループは、高い倫理観と責任感を持って、企業倫理(コンプライアンス)の遵守・徹底を図るとともに、公正で透明かつ自由な競争に基づく事業活動を行い、サプライチェーン全体の共存共栄を図ります。また、政治や行政との健全な関係を保つとともに、反社会的勢力との取引・交友など一切の関係を持ちません。

4.公正な情報開示、ステークホルダーとの対話

私たち雪印メグミルクグループは、消費者、酪農生産者、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの理解と信頼が得られるように、企業情報を積極的、効果的かつ適時、適切に開示します。また、企業価値の向上を図るためにステークホルダーとの継続的な対話を通じて透明性のある経営を実践します。

5.働き方の改革と職場環境の充実

私たち雪印メグミルクグループは、従業員の能力を高め、人格、多様性、個性を尊重する働き方を実現します。また、自由と活気に満ちた企業風土を構築し、健康と安全に配慮した、働きがいのある職場環境を整備していきます。

6.環境問題への取組み

私たち雪印メグミルクグループは、生物多様性の保全、気候変動への対応、水資源の有効活用、廃棄物の適正管理をはじめとした環境問題を人類共通の課題としてとらえ、サプライチェーンを通じて自然にやさしい技術・商品・サービスを開発していくことで、環境保全に取り組みます。

7.人権の尊重

私たち雪印メグミルクグループは、サプライチェーンを通じて、基本的人権を尊重し、人種、国籍、性別、宗教、思想などの違いによる差別の禁止や、強制労働、人身売買、児童労働などの不当な扱いの禁止、安全かつ健康的な労働環境の提供などの取組みを進めます。

8.危機管理の徹底

私たち雪印メグミルクグループは、平時より緊急事態が発生した場合のことを想定した準備を怠りません。火災や天災、事故などといった緊急事態が発生した場合は、人命を優先した上で、事業活動の維持継続・早期復旧に努めます。また、会社の財産を大切にし、個人情報をはじめとする機密情報を厳重に管理します。

9.地域社会とのパートナーシップ

私たち雪印メグミルクグループは、「良き企業市民」として、すべての事業所において、積極的に社会に参画し、コミュニケーションを図ることで、信頼の絆をつくり地域社会の発展に貢献します。

10.本憲章の徹底

雪印メグミルクグループの経営に携わる者は、本憲章の精神の実現が自らの役割であると認識し、グループ企業内への徹底を自ら率先して行います。あわせて、サプライチェーンにかかわるすべての人に本憲章の精神に基づく行動を促します。

雪印メグミルク株式会社
代表取締役社長
佐藤 雅俊
2021年6月1日 制定
2025年4月1日 改正

各種方針