雪印メグミルクグループは、2025年に、最も古い源流のひとつである「北海道製酪販売組合」の設立から100年の節目を迎えます。わたしたちは、「『消費者重視経営の実践』『酪農生産への貢献』『乳(ミルク)にこだわる』の三つの使命を果たすことで社会へ貢献する企業であり続ける」ことを理念として掲げ、酪農乳業の発展を願い、さまざまな商品を通じて「乳(ミルク)」の魅力と素晴らしさを伝えてきました。
さて、わたしたちの「食」を取り巻く環境は、この先どのように変わっていくのでしょうか。
世界人口の増加に伴い、今後、食料需要は一層の増加が見込まれます。一方、供給に目を向けると、近年では自然災害の増加や紛争による貿易バランスの変動など、激しい変化が生じています。また、環境負荷の低減や人権の尊重など、食料供給におけるサステナビリティの向上も強く求められ、グローバルの食料需給は、今後ますます変動の幅が大きくなるであろうことを、食の提供に携わるわたしたちは、強く認識しなければならないと考えています。
こうした先行きが不透明な時代の中、わたしたちはあらためて自らの心の拠り所である「存在意義、志」を見つめ直し、議論を重ねてきました。
創業当時の社会課題は、日本国内における安定的で豊かな食生活の実現であり、その解決に向け、創業者たちは、「健土健民」のことばにその想いを込め、酪農乳業という事業を始めました。
そして今、わたしたちが果たすべきことは、酪農乳業を原点として広がる、100年かけて培った知見や機能、すなわち「ミルクバリューチェーン」によって、現代における食をめぐる社会課題を解決することだと考えています。この信念に基づき、わたしたちは、自らの存在意義・志を次のように定めました。
社会課題解決を目指す「健土健民」という創業の精神で、
乳で培われた幅広い知見や機能(ミルクバリューチェーン)によって、
食の持続性を実現する
今、当たり前に手にしている「食」というものが、これからも当たり前に続くとは限らない。そんな課題を解決するのが、私たちのミルクバリューチェーンです。
健土健民を掲げた創業者たちのフロンティアスピリッツを受け継ぎ、さらなる乳の可能性に挑み、魅力ある乳・乳製品を生み出し続けるとともに、酪農からお客様までつながる社会システムをより強靭なものにしていきます。
また、ミルクバリューチェーンを植物素材やフードテックにも活用し、新たな食の選択肢・可能性を広げ、そしてそれらを、国内にとどめることなく、海外にも展開することで、世界の食の持続性にも挑んでいきます。
当社グループは、食の持続性の実現に貢献し、これからもみなさまの期待に応えられる企業であり続けられるよう、全力で取り組んでまいりますので、今後とも変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。
雪印メグミルク株式会社
代表取締役社長 佐藤 雅俊
2023年9月7日