ムッシュ ムーのチーズコラム 【チーズプラトー】:チーズクラブ

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ムッシュ ムーのチーズコラム チーズをもっと楽しもう ムッシュ ムー:村山 重信

村山重信

村山重信 プロフィール
チーズプロフェッショナル協会 名誉会長
フランスチーズ鑑評騎士の会 日本支部 専務理事
チーズオフィスムー代表
1999年 フランス農事功労省「シュヴァリエ」勲章を授与
2010年 コンパニョン・ドノール・サントュギュゾン騎士号 叙勲

広がっていく日本でのチーズ普及活動

フランス伝統的チーズを護り、啓発する

前回のコラムで聞き慣れない「フランスチーズ鑑評騎士の会」や「チーズコンテスト」を紹介しましたが、両方ともちょっと説明不足だったかも…
4年も前の事ですが、日本テレビの「嵐にしやがれ“未知との遭遇”」に出演した時、相葉君に“ムーのプロフィール”「干瓢?」ってなに?と言われたのです!言葉の‘かんぴょう’とは“鑑賞”と“評価”を合体させた造語なのです。
フランスチーズ鑑評騎士の会」とはフランス語で(コンフレリ・デ・シュヴァリエ・(騎士団)デュ・タスト・フロマージュ・ド・フランス(フランスチーズ鑑賞、評価のこと))。1954年、フランスの伝統的チーズを護るために設立された団体です。本部はパリに置き、支部はフランス国内に23か所、ヨーロッパをはじめ世界に28カ国以上になっています。入会を認められた人には、シュヴァリエ(騎士)の称号を与える叙任式が行われます。中世の王様に身を捧げる契約の儀礼⇒剣を首に当てる“臣従礼”を模したものです。日本では、羽飾りの帽子、マントは中世の騎士のいでたちですが、物騒な剣を抜く代わりに、絹布で包んだバトンを叙任者の右肩に優しく当てるだけの、極めて象徴的なしぐさを採用しています。誓いの言葉「“オニ ソワキ サン フロマージュ プレタン ア ボンヌターブル ロンドルオマージュ”=食卓にチーズを供せずして、美食を装うなかれ」を合唱します。2015年の日本支部での累計叙任者は約400人です。入団者は、フランスチーズを生涯愛し、その普及啓発を誓った人々なのです。


2015年11月ホテルメトロポリタンエドモントで行なわれた叙任式の様子

日本のチーズ製造技術向上に向けて

チーズの主要なイベントはフランスをはじめヨーロッパが中心のように思われますが、実は世界の各国でチーズの品質評価を競うコンテストが行われています。日本でも2年に1度「ALL JAPAN ナチュラルチーズ コンテスト」があります。今年は11月23,24日に10回目が実施されました。日本全国の生産者から148品がエントリーされ、農林水産大臣賞に選ばれたのは、(有)エイチ・アイ・エフの「大きなチーズ(ブリータイプ)」でした。評価の基準は、外観2点、組織3点(中身の状態)、風味5点の合計10点満点です。
3次審査を経て最終審査はステージ上で9名の審査委が各自選んだ1品のプレゼンをし、他の審査員はそれを試食し、審査委員長の合図と同時に点数札を掲げます。その合計点で競います。最終審査員は各業界を代表とする以下の方々です。

滝田 栄(俳優—料理バンザイ20年出演)、井上 旭(フランスレストラン シェ・イノ他3店舗オーナーシェフ)、田村 敏郎(メートル・ド・セルヴィス協会会長)、阿久澤 良造(日本獣医生命科学大学 応用生命科学部長)、齊藤 忠夫(東北大学大学院農学研究科教授)、田中 穂積(チェスコ㈱技術顧問—前雪印メグミルク、とろけるスライスチーズの開発者)、鈴木 利康(飛鳥出版㈱社長‐CPA教本出版)、木村 利康(材料科学技術振興財団 顧問‐電子顕微鏡では世界的)、田中 昇平(㈱三越伊勢丹フードサービス商品統括 洋日配バイヤー)以上敬称略。

オールジャパン ナチュラルチーズ コンテストの特徴は、作品のよい個所を見つけ出してもらう為、加点方式とも言える相対評価方法を採用している事です。生産者へは後日その評価内容をフィードバックされます。世界の評価基準も知りたくなってきますね!

(2016年1月15日)

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