白カビタイプ
「白カビタイプ」とは、表面が白いカビでおおわれているチーズのこと。
白カビを表面に繁殖させて熟成させます。 切断した内部は白・クリーム色で、熟成が進むにつれて表皮に赤茶色の斑点が出てきて、中身がやわらかくなり、とろりと流れ出すほどになります。
「白カビタイプ」の一般的なつくり方
温めたミルクに乳酸菌を加えた後、レンネット(凝乳酵素)を加えて、カゼイン(主な乳たんぱく質)が凝固したもの(凝乳)からホエイ(乳清)を除去するとカードができます。このカードを専用のおたま(ルーシュ)ですくい、型(モールド)に入れ水きりし、成形します。十分に水分が排出されたら型から出し、塩漬けにします。その後、表面に白カビを噴霧して温度・湿度が調整された熟成庫で、熟成させます。
(白カビは、スプレーで吹きかける方法と、ミルクの段階で入れる方法があります。また、乳酸菌は、ミルクに地場の乳酸菌が含まれるので伝統的なつくり方の場合は添加しませんが、安定的な製造(工場など)には乳酸菌も添加します。)
-
その他の白カビタイプのチーズ
-
- サン・タンドレ
- カプリス・デ・デュー
- パヴェ・ダフィノア
- ブリア・サバラン アフィネ
- ガプロン
生タイプで通常の脂肪率のもの(固形分中の脂肪が45~50%)
例えば殺菌していないカマンベール(生)やブリーなどがこのタイプですが、平均して製造後3~4週間目がまさに食べ頃。チーズが盛り上がる感じに変化し、中心も外側と同じようにやわらかくなります。
若いときは、チーズのまわりをおおっている白カビが真っ白で新鮮なマッシュルームのような香りがします。
さらに熟成の度合いが増してくると、表面の白カビの中に赤茶色の模様が混じり始めます。この頃には、チーズの味わいが高貴な芳香とコクのある味に変わってきます。切り口も輝いていて、つやのある豊かな香りを楽しめます。
この熟成が進みすぎてしまうと、アンモニア臭がしてきますのでご注意を。
生タイプで脂肪の多いもの(固形分中の脂肪が60%以上のもの)
マイルドでバターのような風味のため、チーズビギナーでも楽しみやすいチーズです。このチーズの特長は、あまり熟成させなくてもおいしく食べられること。開封したら、早めに食べきってしまう方がよいでしょう。
殺菌しているタイプ(ロングライフタイプ)のカマンベール
生に比べてはるかに日持ちする点が特長。ちょうど食べ頃のときにパッケージに入れていますので、しっかり冷蔵保存していれば6ヵ月ぐらいは、十分おいしく召し上がれます。
- ※乳脂肪分
チーズのパッケージに表示されている「乳脂肪分」ですが、ヨーロッパと日本では計算方法が違うのでご注意ください。ヨーロッパでは水分を除いた固形分中の割合を表示していますが、日本では水分も含めた全重量に対する割合を表示しています。
ポイント!
フレッシュタイプのチーズは、冷蔵庫から出してすぐに冷たい状態のままお召し上がりください。その他のタイプのチーズは、冷蔵庫から出して20~30分たってから、つまりチーズを室温に戻してからお召し上がりください。
- 出典について