世界のチーズの歴史

チーズの起源とひろがり

チーズづくりの起源は山羊や羊などのミルクが、自然界に存在する乳酸菌の働きにより固まり、その塊から水分が分離することを発見したときとなります。
人類は紀元前6000年頃に家畜からミルクをしぼり、それを乳製品として食べていました。その後、おおよそ2000年経った紀元前4000年頃に、チーズはメソポタミア地域(チグリス川、ユーフラテス川流域)で生まれ、そこを起源として東西に広がっていったといわれています。
そして、それぞれの地域で気候風土・生活様式に根ざした独特のチーズが世界中で生み出されてきたのです。

ギリシャからローマへ、そして世界へ

このようにメソポタミアで生まれたチーズは、やがてギリシャに伝えられ、ローマへと伝わっていきます。ローマ時代になるとチーズも改良され、種類も多くなってきます。裕福な階層の食卓には、少なくとも13種のチーズが並べられたといいます。当時は裕福な階層ばかりでなく、平民や兵士達も毎日チーズを食べるほど一般に普及していたようです。
現存するヨーロッパ最古の料理書を書いた、ローマ時代の美食家のマルクス・ガビウス・アピシウスも、幾つかのチーズ料理を書き残しています。
そして、かの有名なジュリアス・シーザーのガリア(今のフランス)征服をきっかけとした、ローマのヨーロッパ制覇と共にチーズはヨーロッパ全土に広がり、様々な風土の中で、それぞれ独特のチーズが発達していくのです。そして、中世から近世へ。大航海時代を経て新大陸の発見により、チーズは世界中へ広がっていきました。

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