牧場名 | : | デイリーパラダイス |
---|---|---|
所在地 | : | 愛知県田原市石神町月の木27 |
開設 | : | 昭和55年 |
規模 | : | 年間出荷乳量 約1,750t |
飼料畑 | : | 1.2ha |
牛の頭数 | : | 経産牛160頭、育成牛60頭、預託牛80頭 |
牛舎 | : | フリーストール |
ホームページ | : | http://dairyparadise.com/ |
(2019年10月)
牧場名 | : | デイリーパラダイス |
---|---|---|
所在地 | : | 愛知県田原市石神町月の木27 |
開設 | : | 昭和55年 |
規模 | : | 年間出荷乳量 約1,750t |
飼料畑 | : | 1.2ha |
牛の頭数 | : | 経産牛160頭、育成牛60頭、預託牛80頭 |
牛舎 | : | フリーストール |
ホームページ | : | http://dairyparadise.com/ |
(2019年10月)
デイリーパラダイスは、愛知県・渥美半島の豊かな自然に恵まれた場所にあります。ここは、日本でも比較的早くから酪農に取り組んだ地域で、電照菊やメロン、キャベツ、ブロッコリーなど、野菜の生産が盛んです。
キャベツ畑が広がる小高い山の懐に抱かれた自然環境の中、牛舎にバロック音楽の流れる「デイリーパラダイス」があります。
おじい様が大正時代に牛を飼い始め、お父様が昭和48年に40頭の牛舎を建てて、そこから酪農専業になられたとのこと。
「千葉が日本で最初の酪農地と言われるが、この地区は、その次ぐらいに、古いところなんです」と。
長男のお兄様が酪農を継がれ、次男坊だった伊藤さんは、東京の会社のサラリーマンに。
12年ほどがんばったけれど、サラリーマンの何かと不合理な仕事がいやになり、自分の考えが活かせる仕事がないかと模索されていたそうです。
そんな折、昭和54年に、実家の近くに県や国の補助を受けた、石神酪農団地(6軒の酪農団地の計画)ができることを聞き、会社を辞め、Uターンして故郷に戻られました。愛知県種畜センター(現愛知県畜産総合センター)で一年間研修し、翌、昭和55年に、お兄様とは別の酪農家として、石神酪農団地に就農されたそうです。
伊藤さんの好きな言葉は、「牛乳、それは自然(かみ)が人間に与えたもっとも完全に近い食品である」
・・・これが酪農を始めた理由です。
夏の暑さや湿度を嫌う牛のために、大型扇風機と細霧冷房装置が設置されています。
牛舎の霧は、気温25度以上で自動的に噴射。牛舎の天井にぐるっと設置されています。ミルキングパーラー(搾乳室)は毎回霧が出るそうです。牛も気持ち良さそうでした。
一番大切なのは、牛に与える餌です。
餌をたくさん食べて、良質な乳をたくさん出してもらうのが搾乳量を増やす一番良い方法です。
伊藤さんは、購入するお仕着せの飼料では満足せず、いろんな配合を試して、牛がおいしいと感じる餌作りを研究したそうです。そして、餌の匂い(香り)によって食べる量が違うことを突き止めました。
みかん粕、酢粕、ビール粕などいろいろ試し、質のいいもの、バランスのいいもので調整をしているそうです。
搾乳した生乳の品質にもこだわり、急速冷却のためのアイスビルダーも設置。酪農家でここまで徹底するのは数少ないそうです。
大型扇風機と自動霧噴射機
(細かい霧が出ています)
飼料を混ぜて、給餌する
大型のバーチカル・ミキサー
美味しそうに特製飼料を食べる牛たち
牛舎に近づくと、バロック音楽が聞こえます。そのキッカケは、「音楽を聴くと、アルファ波が出てリラックスする」とテレビ番組で知ったから。
最初は、牛舎にスピーカーを付けてラジオを24時間かけ続けていたところ、台風などのトラブルで、音楽が長時間途切れると牛に落ち着きがなくなり、ちょっとした物音にも動揺することがわかってきました。「牛にとって音楽を聴くことは、ストレスが減るんです。じゃあ、どんな音楽ならいいのか?いろいろ試してみました」(伊藤さん)
ひとつ疑問がわくと、実証して確かめるのが伊藤流。
伊藤さんが、演歌好きなことから、それも含めて、いろいろ試したところ、
・人の声が入ってない
・音の強弱が激しくない
→ クラシックのバロック音楽が一番イイという事がわかったそうです。今は、有線放送で24時間バロック音楽を聞かせています。
始めた頃は、8〜10%ぐらい乳量が増え、乳成分も数値の向上が確認できたそうです。
数値には出ないけれど、牛舎で働く人にも、音楽でいい雰囲気作りが出来るそうです。
「僕の話を聞きかじって、『牛に音楽を聞かせたけど乳量が増えない!』と言ってくる人がいる。でも、牛の給餌や世話などトータルでやりつくした上での音楽なんです」とのこと。
音楽を聴いてリラックスした牛たち
夜間の照明にも工夫が
ようやく軌道に乗り、生活も安定し始めた昭和61年に結婚され、一男三女の4人のお子様に恵まれました。長男の大生(ひろき)さんは、北海道の酪農系大学を卒業後、静岡県の牧場で数年働き、今年からデイリーパラダイスを手伝われています。まわりの酪農家も後継者が育ってきており、活躍を期待されています。
長女のえりかさんは、結婚されて夫婦でショップ「バロック」の運営を任されています。
長男の大生さん(右)
長女のえりかさん
地元産物を使った、豊富な種類のジェラート
店長のえりかさんとご主人(真平さん)
酪農体験を通して、食といのちの学びを支援することを目的に、活動しています。
酪農教育ファームでは、牧場でのエサやりや搾乳体験のあと、ショップへ移動してのバターづくりなどを行っています。
また、小学校への出前授業の活動もおこなっています。
牛舎の入口には、セキュリティ部長犬の「ギン」が。セキュリティ担当なのに、伊藤さんに似て、とても人懐っこく、初対面の取材班にも、この笑顔(?)でお出迎えです。 草むしり隊長の「ポニー」は、牧場の周りの雑草を食べてくれる重要な美化戦力です。
草むしり隊長 ポニー
2代目セキュリティー部長 ギン