雪印乳業の取組み

当社は2000年6月末の食中毒事件以降、「企業風土の刷新」「品質保証の強化」「2002年度黒字化に向けて」の3つの施策からなる「雪印再建計画」を策定し、その実現に向けて役職員全員が心を一つにして取組んでまいりました。

しかしながら、2002年1月に明らかとなりました雪印食品株式会社の一連の不祥事により、当社は再びお客様からの信頼を大きく失いました。お客様に再び信頼していただける新生雪印乳業を築いていくために、現在、役職員一人ひとりが新たなスタートを切ることの堅い決意をこめて策定した「新再建計画」を実行しております。

2つの事件で、皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしましたことを改めて深くお詫び申し上げます。また、これらの事件を反省し、企業風土と意識の改革に向けて、当社が行ってまいりました取組みについて、ご報告いたします。

取組みの五本柱のイメージ
取組みの五本柱のイメージ 雪印 取組みの五本柱のイメージ
取組みの五本柱のイメージ 取組みの五本柱のイメージ

1.経営改革(コーポレートガバナンス)
【1】 経営諮問委員会(2000年10月〜2001年3月)
企業風土の刷新、経営改革に向けて、外部の有識者にご協力いただいて「経営諮問委員会」を設置し、経営に対して第三者的立場から提言をいただきました。
【2】 社外取締役の招へい(2002年6月〜)
元 全国消費者団体連絡会事務局長の日和佐 信子氏を社外取締役として招へいし、「消費者の立場」から取締役会で発言いただき、「企業倫理委員会」の委員長として意見をとりまとめて取締役会に提言いただいております。
2.品質保証
【1】 商品安全監査室の設置(2000年8月)
安全な商品を提供するために、社内全体の仕組みを点検し、改善することを目的として、商品安全監査室を社長直轄の組織として設置しました。品質管理の徹底強化と品質保証監査を実施しています。
 ※2003年1月20日、商品安全監査室は商品安全保証室に名称変更いたしました。
【2】 品質保証システム(SQS)の充実(2002年〜)
当社は、お客様に安心してお召し上がりいただける安全な商品をお届けするため、全従業員による品質管理活動を推進しております。
当社独自の品質保証システム「SQS(Snow Brand Quality Assurance System)」は、世界標準の品質マネージメントシステム"ISO9001"と"HACCP"の考え方を取り入れた規格・基準・標準を骨格とし、「決めたことを決めたとおりに実行する」ISO9001の考え方で実効性を確保すると同時に、HACCPにより商品の安全性を確保しています。
また、「雪印乳業品質保証システム(SQS)」に基づき、決めたことが正しく行われているかを確認・検証する仕組みとして、社外、社内、内部の3方向からのチェック体制をとっています。
3.企業倫理
【1】 企業倫理委員会の活動(2002年6月〜)

企業倫理徹底に向けた活動として、法令遵守・品質・経営全般について、倫理的側面から“社外の目”による提言や勧告をいただくため、取締役会の諮問機関として設置いたしました。また、専門性の高い課題については、企業倫理委員会の専門部会として「消費者部会」「品質部会」を併せて設置しており、それぞれ課題の検討、提言をいただいております。

企業倫理委員会は開設以来、一度も休むことなく、毎月1回定期的に開催し、経営全般について幅広く提言、勧告、検証をいただいております。

雪印乳業株式会社企業倫理委員会は、2009年9月をもって終了し、2009年10月より新たに雪印メグミルク株式会社に企業倫理委員会が設置されました。

雪印メグミルクの企業倫理委員会
企業倫理委員会のメンバー(敬称略)
第8期(2009年7月〜2009年9月)
日和佐 信子 元 全国消費者団体連絡会
事務局長
社外取締役
松本 邦明 経営倫理実践研究センター
主任研究員
企業倫理の有識者
谷 幸 日本食品衛生協会 常務理事 品質の専門家
小澤 理恵子 元 日本生活協同組合連合会
共済事務センター部長スタッフ
消費者関連の有識者
簗瀬 捨治 長島・大野・常松法律事務所
弁護士
法律の専門家
遠山 二郎 雪印乳業(株)
労働組合中央執行委員長
労働組合の代表者
中野 吉晴 雪印乳業(株) 専務取締役 CSR推進部、
広域営業部 担当
井戸田 正 雪印乳業(株) 取締役
常務執行役員
家庭用商品部長、
技術研究所・調達部・
物流部・生産部 担当
【2】 雪印乳業行動基準の策定(2003年1月)

「雪印乳業行動基準」は、社員が業務中の行動についての基準を示すものであり、社員全員で作成し、社員全員が守っていくことを大切にしました。
「雪印乳業行動基準」は社会にも公表していきます。

「雪印乳業行動基準」は社長のメッセージから始まり、

  1. 「雪印乳業行動基準」の基本的な考え方(企業倫理への姿勢、ブランドについて、など)
  2. お客様・消費者に信頼されるための行動
  3. 雪印乳業の商品の原材料調達、製造、物流、販売についての姿勢
  4. 雪印乳業にかかわる方々への姿勢
  5. 仕事をするにあたっての社員の行動基準
  6. 行動基準の徹底のための実践、運用および企業倫理ホットライン
以上の内容で構成されており、雪印乳業はこの「雪印乳業行動基準」のもとで、企業倫理の徹底を図ってまいります。

4.お客様満足
【1】 お客様センターの見直し(2000年12月)
全国6ヵ所でお客様の「声」をお受けしていたお客様センターを本社に集約し、一元的に365日間、お受けするようにいたしました(フリーダイヤル0120-369-114)。
専任スタッフが常駐し、電話、FAX、メール、手紙などによるお問い合わせ、ご提案、ご意見に対応しております。
【2】 新しい商品やサービスのご提案
お客様に新しい商品やサービスをご提案するために、生活者の研究や食品衛生を研究する専門セクションを配置しています。そこでは、お客様がどんな商品を求めているか多角的なマーケットリサーチを実施し、これらを生かした商品開発に精力的に取組んでいます。
商品をお客様にお届けするばかりでなく、その使い方や食べ方など食生活や栄養・健康についての情報もご提供いたします。
5.企業風土改革
【1】 雪印体質を変革する会
2002年1月の雪印食品(株)による牛肉偽装事件以後、社員の自主的な活動として「雪印体質を変革する会」が生まれ、以下のさまざまな活動を推進していきました。

取り組みに至る経緯
【2】 お客様モニター制度

お客様モニター制度は、雪印乳業の企業活動の一環として2002年度から開始しました。
2009年度・第八期の活動は「インターネットを使用した双方向のコミュニケーションについて」をテーマに、ホームページに対するご意見や、経営統合に関してのご意見をいただきました。また、商品を使用したお料理レシピの作成もお願いいたしました。

お客様モニターの活動報告
【3】 酪農家・生産者の方々との対話会(2002年5月〜)
雪印の原点である「酪農」や「乳」、そして「食」について、社員が "もの作り" という視点で生産者の方々と情報交流させていただくことにより、雪印の変革を推進していくための取組みです。酪農家の方ばかりでなく、米、果実、ハーブの生産者、牛乳販売店、行政の職員の方々などにもご協力をいただきました。
【4】 Letter From Factory「今の雪印を見てください」(2002年7月〜10月)
『Letter From Factory「雪印工場見学北海道2泊3日の旅」』は、「今の雪印を見てください」というメッセージをテーマに、2002年9月、10月の2回にわたり、合計12組52名のお客様を2年前の食中毒事件の原因となった原料を製造した大樹工場にご招待させていただきました。お客様からいただいた声にお答えするため、品質や衛生管理、従業員のものづくりに対する姿勢をお客様にごらんいただきました。

これらの企業風土改革に向けた取り組みの中から、
雪印乳業のあるべき方向を次の3つに絞り込みました。

  1. 「安全・安心に向き合う」雪印乳業に変革する
  2. 「お客様に向き合う」雪印乳業に変革する
  3. 「食の責任を認識する」雪印乳業に変革する

この「3つの改革の柱」は経営レベルに継承され、
新しいビジョン実現のための施策に織り込まれています。



雪印乳業の食中毒事件後の過去のリリース


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