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無登録農薬問題について |
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今年は無登録農薬の問題があったけれど、普段お客さんに楽しんでもらって、自分も楽しみながら、ぶどう作りをしています。お客様と一緒になった仕事です。だからお客様は皆固定客なので信頼があり、やはり信頼が一番だなと感じました。雪印も大変だと思いますけれど、「これからやるんだぞ!」という気持ちを具体的に示して、工場見学などの機会にお客様に説明していく必要があると思います。 |
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農薬問題では、不安に思っているお客様がいて、買ってくれる人の気持ちがひしひしと伝わってきます。雪印の事件後は、雪印よりも生産者を心配しました。出荷する人の気持ちになって会社もやっていただかないと酪農や農家は困ります。 |
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この秋の農薬問題で売り上げが落ち込んでいます。消費者の信頼を失うということは大変なことです。一部の人間の不法行為に腹も立ちますし、マスコミの過剰とも思える反応も参りました。我が家は何十年も前から発ガン性のある農薬などは使わないようにしています。ですから消費者から信頼がなくなることはなく、「あなたの家で作ったものは信頼がある」と言ってくださってありがたいなと思いました。この先、雪印の方も信頼回復ということですけれど、原点に戻るということだと思います。 |
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雪印への疑問、要望 |
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雪印には女性のスタッフはいないのでしょうか?今日の対話会も、女性がいるのだろうと思っていたら、5名全員が男の人だったので驚きました。5人の内1人はいるかなと思ったんですが。食に関わるのは女性が多いし、消費者は女性が中心です。企業は男が今まで動かしてきたのでしょうけれど、企業が変わろうとしている時には女の人こそが必要だと思います。 |
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女性は一般的に組織の中での出世街道などはあまり意識しないと思うので、普段の生活に近い感覚で仕事をします。だから食品メーカーは特にそういうところを活かせば良いと思います。現場で働く女性ばかり増やしても要所要所の責任者は男であったりすると意味がないと思います。 |
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農家での野菜などは自分達で直接売りに行くことができますけれど、酪農だけはできません。ですから会社が、農家に入って行く必要があります。本当の農家とのつながりが難しいです。新入社員が農家に直接来て1週間ぐらい実習してもらうだけでも、すごく分かってもらえることがあると思います。 |
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事件以降、いろんなことがうやむやになってしまっているので、どうなっているのかなと思います。「雪印は変わりました、消費者と向き合う活動をしています」とか聞きましたけれど、実際消費者には分かりません。 |
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命あるものから取れるものが、すごく安く扱われているような気がします。牛に餌をあげて、牛が子供を育てるために出すお乳をすごく安く売るというのが、ものすごく腹立たしいです。 |
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雪印の事件のようなことは二度と起きて欲しくないけれど、世の中ではいろんな事故や事件が「二度と起こしません」と言っていて起きてしまいます。雪印はこれから先絶対に起きないとは言えないと思います。その時にどう対応できるかが大事だと思います。今は一生懸命努力していると思いますが、将来の万が一の時に隠蔽してしまうようなことがもしあれば、もう誰も信用しなくなると思います。「こういうことをやっています。」とアピールだけで終わらないで欲しいです。 |
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消費者に伝えたいこと |
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今は農薬を使っている外国の安い野菜がたくさん日本に入っているわけで、大方の人は農薬を使っていようが安ければ買うということです。残留農薬があるとは知らないで過ごしている人もたくさんいます。企業は大多数に合わせます。でも、雑貨を売るように食べ物を売るのは良くないと思います。食べ物を売るということと、例えば車を売るということを同列にしてはいけないと思います。消費者も企業ももう一度考えないといけないと思います。 |
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消費者は農家の苦労を知らないで安全に対して無理な要求をしていると感じます。消費者も勉強はしていると言っても生産者の立場や作り方までは知りません。 |
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価格を下げるのが一番だからこういった問題になってくるのです。ですから、消費者の方々に、ものを作るというのがいかに大変かを分かってもらうことが重要です。 |
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今後の雪印への期待 |
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今日の対話会の最初の印象は、管理職の人が来て堅苦しいものだと思っていたけれど、私たちの声を反映してくれるために来てくれたんだと思いました。これからも消費者、生産者のために努力を期待します。 |
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現場と消費者の声を理解して、若い人ががんばる新しい雪印に期待します。 |
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これからも毎年でなくても良いからこういった対話会をしてもらえれば良いなと思います。 |
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土が付いているものを口に入れるまでどれだけ大変な思いをして作っているかということを売る人も絶えずそばに感じていて欲しいと思います。それを忘れない努力を続けて欲しいと思います。 |
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米、サクランボ、ぶどうなどは、作るだけだとすごく楽しいけれども、売り方まで考えると大変です。その辺をこういう対話会で聞けたら助かります。そうやって今後、年に1回でも話ができて、つながっていけたら良いなと思います。 |