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「あそこの牛を買うてよかったな」と言うてもらえるように、とにかく相手さんに喜んでもらえるように、それだけが一生懸命、今のところ心がけている点です。それだけを願ってます。でも何とも自然相手というか、生き物相手の仕事は、そんなうまいこと、粘土でつくるような子たちになりませんねん。一生懸命しても太い腹になったり。 |
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メロン栽培をしております。特に家の名前が前に出ることから、「味がよいのは当たり前」いうて家では考えています。メロンの場合、買いに来てくださるお客さんが大体リピーターで、その方たちとの交流も毎年楽しみにしております。お客さんが「名前がついている」いうことで、すごい安心して買ってくれるんですよね。文句が来るというのは当たり前。「味なかった」といったら、それはすぐにその日に来ます。だから、皆はそれを気に入って、いいもの、新しいもの、味のいいもの、それを当たり前のようにやっております。 信頼を失うことのないように毎日努力しないと。一度信用をなくすと、本当に農家などはすぐにつぶれてしまうんです。 |
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私は、大体農産物って、農協さんところに出すときは自分で値はつけられないんですよ。買う人が値段をつけるんですよ。だけど、産直は違うんですよ。自分で値をつける、売れるから。高かったら「高い」と言うてくるし、言われれば安くしようか思うたり、「いいや」言うてそのまま突っ張ったり、やっぱり欲しい人は買ってくれる。 |
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私とこなんかでも、メロン1個、大体1500円で売りたいんです。ずっと1月から毎日、メロンやっているんです。だからそういう手間賃とか、そのメロンの箱代とか、ものすごくいろいろ足したら、絶対メロンは1500円なんかでもうけはないんです。もっと上げたいんやけど、上げたらお客さんが離れていくから、今のところ、1500円でしか売られへんのやけど、でも自信はあるんです、味には。それでもお客さんはよく「高い」と言うんです。なら、特売所へ行って説明するんです、はじめから。「いついつ定植して。こないして、こないしたんだから、おしりがきれいでしょう」とか、いろいろ説明して。だから、お客さんと話し合いをする、説明がすごい大事なことになると思うんですよ。 |
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雪印が再生をするならば、「こちらはこんなこだわりもってやっとるのに、会社はやってくれへんのや」ということは言いたい。あと、ここで言うていいか悪いかわかりませんが、いわゆる幹部職員、部長、課長クラスになりますと、悪い意味での官僚精神が何かあるような感じがすること、もっと再生を目指すならばそういう意識を捨てて、商売人という考えになってもらわなんだら必ず再生しませんよ、雪印は。だからそういう官僚精神を抜いていただいて、ほんまに消費者と接点を持ってもらいたいと思いますわな。 |