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わくわくのメンバーの作っているものは、トータルでものが見えています。つまり最初から最後まで分かる。
人間が食べるものって、「商品」とか「製品」ではなくて、「食べ物」なんだよというふうに認識を持ってやれる仕事の規模って、あるんじゃないかなあという気がしています。だからといって大規模な組織がいけないということではなくて、そういうふうにトータルで感じ取れるような仕組みに変えて、それぞれの人たちがそこの中でそれを日々拡充して、例えば酪農家の方たちが、におい、形、肌など5感全てで感じてやれるような、そこに何か一つの連帯というか、何かあるんじゃないかと思っています。
実際に私たちは20数名で食べ物のグループをやっていますが、これってもてはやされている割には、生産する人も、消費者も、結構つらいものがあります。かなり厄介で大変なものです。その大変な思いをしないとそういうものが手に入らないという仕組みそのものにもすごく疑問を感じています。だからそういう意味で、雪印も今回のことをひとつのチャンスとして、今までそれが果たせなかった何か一つ、大きなところでもそういうことができるんだよというような、何かこう新しいやり方を示してもらえるととてもいいなと思います。
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きょうここに男性の方たちいらして、ご自分でどの程度家族のために料理をしたことがありますか。子供さんがいらっしゃらない方もあるかもしれませんが、ご自分の子供さんにどういうふうな育児に関連してやっているのか。そういう経験のない人たちが現場でつくっている。そういう中で、商品じゃない、製品じゃない、食べ物なんだよという感覚を本当に持てるんだろうかという疑問があります。
そういうことも含めて、責任を肌で感じることが必要だと思います。いくら仕組みがしっかりできていても、それがなければ、また同じことを繰り返すと思います。そこら辺をどういうふうに中でやるのか。ぜひ何か吟味してくださるといいなというのがお願いです。
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養豚・豚肉加工製造販売の一貫経営を行なっています。毎日何百人という人に販売する中で生産者の心を伝えて、そして食べ方、それから安全性、製造工場の中の製造過程、そういうものを本当にあからさまに言っています。そして、ハムの場合は、よくお客様が無添加、無添加と言われます。でも、スタートのときは無塩せき、無添加のものを目標にして始めたんですが、ハムやウインナーなどを限りなく安全で、そして昔のようなおいしさで販売するならば、どうしてもリン酸塩や亜硝酸は入れなきゃだめなんです。そういう部分で、半分戦いです。お客さまが、なぜそういうふうにしたって言うんですけど、こうだからこうしてる、と言うと、買っていってくれるんです。そして何よりもおいしい。農場のほうで、要するにどれだけこだわって生産しているかを常に伝えておく。
でも、本当にこれって大変な仕事です。ですから大きい会社の人のように、たくさんお客様を集められません。でも、お客様は今信頼の人、信頼よりも信者というくらいになって下さっているものですから、そういう人から個人に口コミで伝わっていくのだと思っています。
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現在、精肉の場合は原産国アメリカとかって書きますけど、ハムやベーコンになったら書かないでいいんです。国内産、地場産のベーコン、焼豚、ハムは味の違いがわかりますよ。だから、牛乳なんかも、そういうだれがつくってるかわかるものを、たとえ雪印の中でも一つのコーナーにそういうものを入れていって、これはどこどこさんのとわかる商品を売っていってだんだん回復するというやり方だと思います。
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うちでは、製造者も製造の合い間に店頭に出てお客さまに接しています。繁忙期はそんなことしてられません。もう製造で夢中です。でも、ぱたっと暇になる8月とか1月は、製造者も店に出る。そしてお客様に説明する。お客さんは、白衣を着て前掛けをかけて出てくる人から商品の説明を聞くのがすごくうれしそうです。うれしそうというか、うれしいんです。すごい満足して帰ります。
そういうのが販売のいいところで、雪印さんも大いに、スーパーに行って、自分が休みの日でも、こっちのあれがどうかと思ったら雪印の意気込みを伝えていく。そういう人が買ったものがおいしければ、またほかの人に話してくれるという好循環が生まれると思います。
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東戸塚で酪農をやっています。農業って一回つぶすと二度と立ち上がれないんです、はっきり言うと。もう酪農を一回やめたら、二度と酪農はできないです。私が東戸塚で酪農をしているという意味は、牛乳が牛から、子供を産んで乳を出すということを皆さんに見ていただきたい、それがすごく底辺にあるんです。都会の生産者は、やはり消費者に近いですから、その消費者がきちっと見れるような、本来の酪農家の姿になっていかなければいけないんだと思っています。
だけどよく回ってておわかりでしょうけれども、日本の酪農家の現実って、雪印の問題以上に、酪農家自体がどこへ行っても大変だと思います。
きれいなものを持って機械化をきちっとされて、人もヘルパーがきちっと入ってという経営をしているのは上位の何%かに過ぎません。その残りの70とか80%の人たちがどれほどの思いをしてその牛乳を搾っているかということです。
それは、はっきり言いまして、適正価格ではないからです。確かに流通の問題になったときに、乗って安いということは若い世代の方たちが子供に飲ませるには1円でも安いものを求めます。それは確かです。だけど、やはりこれから10年、20年先の牛乳を飲みたいと思うんでしたらば、やっぱり適正価格ってあります。
私が思うことは、やっぱり次の世代につながないと、そこで途切れたんじゃだめなんです。それが一番大事なことだと思うんです。雪印さんの今回のことは、すごくある面で、生産者が一生懸命汗流して365日やって努力をしている姿が見えなくなってしまったことも背景にあって、起きたのではないかと思っています。
やっぱり食というのは、ちょっと前までは本当に飽食の時代みたいな形で何でもかんでも輸入してというふうな形で、おいしいもの、おいしいものって追求してきましたけど、でも大分ここに来て、おいしいものもさることながら、安全なものが求められています。私、農家でなく嫁いで一番思うことは、旬の野菜は取り立ての野菜が本当においしいんです。それを知りました。我が家の牛乳も、普通に沸かして飲むととっても甘いです。多くの方々が本当の牛乳の味というのを知らないから、例えばこれからは私はこの地域で、自分ができることをやっていこうと思ってるんです。
だから教育ファームとして、小学校が周りに3校ありますから、3校を受け入れようと思っています。そうやって自分にできることをきちっとして、1人ですべてのことをターゲットにやろうと思っても無理でしょうから、参加してくれる方たちというのがやっぱりあると思うんです。そういう人たちにきちっと、牛乳というのはどういうふうな状態でできてどういうふうになっているかというのを見せてあげようと思います。
私は雪印さんに、生産者として一番思うことは、適正価格でやっていって欲しいということです。
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牛乳の値段には疑問を感じています。あの牛乳を朝早く起きて搾って、それで下手すると缶ジュース1本の値段です。缶ジュースが120円入れると出てきて、牛乳がそれにちょっとプラスしたぐらいの値段で、1リットルのものが買えるということ、これではもう第1次産業はたまらないと思います。生産者が、すごく苦労されて、牛を飼って牛乳を搾るということがどの程度大変なことかというのはわからないんですか、という気持ちで一杯です。
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私が今なぜ酪農家になったかというと、はじめはただの憧れと酪農に対するイメージですね、牛がいるというイメージだけだったんです。それで北海道まで自分で行ってみました。それが、どういうわけか北海道の酪農家じゃなくて神奈川の酪農家になってしまったわけです。どっちがいいかわかりませんけど、第1次産業ってすごくイメージってきっとこれからやっぱり大切になってくると思います。やっぱりもっと現実的なところも必要だけども、今子供の教育とかそういう問題も含めて、私はそのイメージみたいなものを大事にしたい。だからやっぱり汚い牛からは牛乳は搾りたくない。時間もかかるけども、いつもきれいにしている。これやらなきゃあ、あと10分でも15分でも早く終わるなと思うけども、やっぱり毎日続けてやってると、それをやらずにはいられない。やっぱり、ああ、きれいな牛から牛乳搾って、乳質の検査とか流通の検査とかありますけども、そういうのしか結果は表れないですけど、それを励みじゃないですけども、ほんとに都会の中の酪農としてこういうイメージを続けていきたいなと思います。
近所で、小さいお子さん連れて、毎日のように、ほんと5分ぐらいなんですけども、おじいちゃんが自転車に子供乗っけて来たりとかあるんです。顔なじみになって、「おはようございます」とか、まだこちらの方のように教育ファームになろうとか、そこまではいってないですけれども、そんなイメージを私はやっぱり大切にしたいんです。
それから、牛乳の付加価値というのを考えているのですが、5、6年前からいろいろ考えて、考えては潰れ、考えては潰れで、今まだ試行錯誤中です。
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教育で言えば、私がやってるハム工房の場合は、近隣の小学校の3年生から5年生の社会科の授業に第1次産業を学ぶというので、もうほんとに忙しいぐらいに、工場の話を聞きたいとか、養豚場のほうで話を聞きたいというのが常にあります。もう多いときなんか1日3校ぐらい来る。それを子供に一生懸命伝えて、はじめは子供は消費者じゃないと思ったんです。でも、おばさんがほんとに真心込めてつくってくれてると思うと、遠くからでも親を連れてくるんです。「おじいちゃん、おばあちゃん、ハム工房に買い物に行って」って来てくれるんです。
雪印は、そういう面で、これから育っていくお子さんたちの工場見学なんていうのはありますか。 今、要するに、小さいなりに小学校3年とか5年ぐらいでも、今度雪印さんがこういうことをしたということがわかっていますよね。で、一生懸命スタッフが話して、理解をしてもらえます? 子供たちに。今はそうじゃないんだと。おいしいものをつくろうと一生懸命してるんだというのを理解してもらえます?手ごたえあります?
30、40の主婦よりも、小学校の子供にいろいろ伝えていくのって、絶対に必要だと思うし、ほんとに子供に真剣に安全性とかおいしさを求めていますから、ダイレクトです。お父さん、買いにいって。お母さん、連れてって。そうすると、子供の手前必死で聞くというか、そしておいしければ、あとに続くと思います。それを是非雪印にやって欲しいと思います。
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食に対して、今ここでようやく『農業新聞』なんかに田植えをどこの小学校にさせてますとか、そんなのが話題になってきたんですけども、農政なんかとの話し合いにもう少し第1次産業のものを教育の場に取り入れてもいいんじゃないか、もう少し余裕を持って教育をしていってもいいんじゃないかと思います。
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ただ雪印の工場を子供に見せるんじゃなくて、酪農があって、その酪農家が安全でおいしいものをつくってるんだよという一連で子供たちに伝えていくということが重要だと思います。それは酪農家の仕事かもしれないけど、乳製品をつくっている会社もそこまで酪農家と親密になってその辺のことを伝えられるということで、次世代を担う子供たちにも、より理解してもらえるかも知れないと思います。要するに、雪印の工場を見学する。その近くに酪農家がいなければ、酪農家のところのビデオなり何なりを撮ってきて、牛飼いの人たちの大変なところを見せてから牛乳になっていくみたいなことです。
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日本人ってすべての面で、野菜とかそういう果物なんかもそうなんだけど、どこどこ産というところにぱっと飛びつくみたいなところがあります。信州のブルーベリーとかっていうと飛ぶように売れるけども、じゃあ神奈川のブルーベリーなんていったら酸っぱくて食えないんじゃないかみたいな、もうイメージ的にそういうのがすごくあるから、大人がそうだということは子供も同じような判断をしてしまう。子供に、本当の判断を自分で出来るような教育をしていくことは大事なことですね。
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