有限責任 北海道製酪販売組合設立(資本金5,450円)

大正14年(1925年)5月17日、北海道酪農民の悲願であった「有限責任 北海道製酪販売組合」の設立総会が石狩で開催された。
出席者は各地の代表者で、総会は順調に進み、名称、機能などを次のように決定した。

名称:有限責任 北海道製酪販売組合
区域:石狩、空知支庁管内及び小樽郡一円
組合員の資格:組合区域内の居住者で乳牛を飼育し、またこれに関連を有し、かつ独立の生計を営むもの
事業:加工品はクリーム、バター、チーズ。販売品は牛乳、クリーム、バター、チーズ、その他総会において決議したる物品

かくして、出資総計5,450円、加入人員629名、白石村字野津幌の出納陽一氏の農業製酪所を無料で借り受け、米国留学を終えて帰国して間もない佐藤貢氏(後 雪印乳業(株)社長)を工場技師に迎え、いよいよバターの製造を開始したのは大正14年7月25日のことだった。

※総会における宇都宮設立委員長が報告した「酪連組合 設立趣意書」(一部抜粋)

翌年、全道を区域とする「保証責任 北海道製酪販売組合連合会(酪連)」に組織変更し、加入組合は25組合となった。
この年、札幌の苗穂(現 雪印メグミルク(株)の登記上本店所在地)に冷蔵庫棟を備えた札幌中央工場と事務所を、東京に出張所を開設。着実なる第一歩を踏み出した。

  • 創業時のバター仮工場 出納陽一農場の建物を借用して開設(白石村野津幌)

  • 初期のころのバター製造手回しチャーン

  • 札幌村苗穂に新築をみた酪連事務所と札幌中央工場(大正15年9月30日)

  • 赤坂の東京出張所 (昭和4年根岸から新築移転)

  • 設立当時使用したバターの製造機器

  • 札幌中央工場のバター製造設備(昭和2年輸入設置した)

  • 酪連時代のバターパッケージ

  • 酪連が初めて作ったバターPR用パンフレット(昭和3年)

  • 和洋 バター料理之栞(しおり)